赤坂英一の野球丸

2017年10月11日

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 今年の日本一を決めるクライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズを前にして、プロ野球界が揺れた。震源地は今季セ・リーグの最下位に沈み、球団ワーストタイ記録を更新するシーズン96敗を喫したヤクルト。文字通り「一寸先は闇」を地でいく展開である。

(Thomas Northcut/iStock)

 早くも8月に退任を発表した真中満前監督に代わって、元監督の小川淳司シニアディレクター(SD)の復帰が内定。それと同時に、大物OBの宮本慎也氏がヘッドコーチとして招聘されることになった段階までは、ファンにとっても想定内だっただろう。

 そこへ、巨人の尾花高夫投手コーチ、今季引退した元捕手・相川亮二が入閣するという情報が流れた。相川はヤクルト時代、宮本に打撃指導を仰ぐなど、“師弟関係”にあった間柄。巨人からの現役続行、コーチ就任要請を固辞して引退を選んでいるだけに、「宮本ヘッドの元でバッテリーコーチを務めるのでは」との憶測が飛び交った。

 また、尾花コーチは小川監督と同い年で、元ヤクルトのチームメート同士。今季はシーズン途中でメーンの投手コーチからブルペン担当へ格下げされたこともあり、ヤクルトが招聘に動いている、と報じられた。が、8日になって巨人から、尾花コーチがフロントへ配転され、編成本部アドバイザーに就任すると発表。来季も巨人にとどまりそうである。

 さらに、5日に退任が発表されたばかりの広島・石井琢朗打撃、河田雄祐外野守備走塁コーチもヤクルトが招聘に動いているとスポーツ各紙に伝えられた。このあまりにも意外で矢継ぎ早な報道には、誰もが驚いたはず。広島の鈴木清明球団本部長が、「彼らの来年(の仕事)のこともあるし、噂が立つ恐れもある。CSが始まる前に集中したいので」と説明したことも、水面下で彼らの獲得に動いている球団があるらしい、という見方に拍車をかけた。

 石井、河田両コーチが広島の37年ぶり2連覇にどれほど多大な貢献をしたかは、9月13日付「カープ優勝を支える2人の“鬼”」、同月14日付「カープ選手の足が早くなったワケ」でも改めて詳しく書いた通りだ。実を言えば、この記事を書いたときにはすでに、石井コーチが退団を決意していることは察していた。最大の理由は本人が記者会見で明らかにした通り、家族の問題である。

 一番上の長女は来年から高校へ進学、小学6年生の次女は将来のプロテニス選手を目指して修行中で、一番下の長男もまだ幼いながらにそろそろ野球に興味を持ち始めている。父親としては、いまこそ子供たちのそばにいて愛情を注ぎ、教育に時間を割かなければならない。詩織夫人も含めて、家族5人が一緒に生活できる時間も限られている。試合のない日に新幹線に飛び乗っては東京の自宅に帰り、「家族には随分我慢してもらってるんですよね」ともらしていたときから、近いうちにこういう日が来るに違いない、とは感じていた。

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