BBC News

2017年12月21日

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調査で大臣規範に抵触したとされたデイミアン・グリーン筆頭国務相(61)が20日、解任された。グリーン氏はテリーザ・メイ英首相に最も近い側近の一人だった。

グリーン氏は、2008年に事務所のパソコンからポルノ画像が見つかったとされることをめぐり、自身の認識について「不正確で誤解を招く」発言をしたとして、「辞任を求められた」という。

グリーン氏はさらに、ジャーナリストで保守派の活動家ケイト・モルトビー氏(31)に対して2015年に不快な思いをさせたとして謝罪した。

BBCのローラ・クンスバーグ政治編集長は、メイ首相には「辞任を求める以外に選択の余地は少なかった」と指摘し、近しい友が去ったことでメイ首相は「孤独を深めた」と語った。

筆頭国務相のグリーン氏は事実上の副首相で、11月に辞任したマイケル・ファロン前国防相とプリティ・パテル前国際開発相に続き、過去2カ月間で内閣を去った3人目の閣僚となった。

メイ首相は書面でグリーン氏の辞任を「深く遺憾に思う」と表明したが、同氏の行動は閣僚として求められる基準に「満たない」ものだったと述べた。

グリーン氏に関して、モルトビー氏に不適切な行為をした疑惑で調査が行われていた。グリーン氏が2015年にモルトビー氏に対して本人が望まない行動を取ったという疑惑を、グリーン氏は否定した。

グリーン氏はさらに、2008年に撤去された議会の事務所のパソコンでポルノ画像をダウンロードしたり閲覧したりしていたという疑惑も否定した。

内閣府の公式報告書は、グリーン氏が自身の事務所のパソコンからポルノ画像がみつかったことは知らなかったという先月の発言は、「不正確で誤解を招く」もので大臣規範の違反に相当するとしている。

さらに報告書は、「私的な面会について」グリーン氏とモルトビー氏が「矛盾し相反する説明」をしているものの、調査によってモルトビー氏の主張に「信ぴょう性がある」と示されたと述べた。

モルトビー氏の両親、コリンさんとビクトリアさんは調査の結果、グリーン氏が「閣僚として不正直であり、娘の証言が妥当だと認められた」ことに驚きはないとのコメントを発表。「権力の乱用」に抗議の声を上げた娘の勇気を称えた。

モルトビー氏は内閣府からより詳細な説明を受けるまでは、グリーン氏の辞任についてコメントしないという。

グリーン氏は辞任を表明した声明文で、ポルノ画像について「もっとはっきりと」発言できたはずだったと述べた。また、2008年にロンドン警視庁の弁護士から自身の弁護士にポルノ画像を発見したと最初に連絡があり、2013年には警察から電話でその件について連絡があったと認めた。

グリーン氏は、「この点において、私の発言は誤解を招くものだったことを謝罪する」と述べた。

メイ首相にとって、グリーン氏は2人がオックスフォード大学に通っていた時からの旧知の仲。メイ氏は2016年の首相就任後、グリーン氏を内閣の一員に加え、7月には筆頭国務相に昇進させた。

以来、グリーン氏は重要な閣議の議長を務めるなど、陰で非常に大きな役割を担ってきた。また定例の首相代表質問では、首相の代理を務めることもあった。

グリーン氏の後任はまだ不明だが、未確認情報によると、議会が21日に閉会予定のため、年明けまでは後任人事の発表はないという。

英紙サンのトム・ニュートン・ダン政治担当編集者はツイッターで、「今のところ、グリーン氏の憲法上の職務である権限移譲とブレグジットに関する地域との連絡は、下院院内幹事とスコットランド相、ウェールズ相、北アイルランド相が担うことになる」とコメントした。

https://twitter.com/tnewtondunn/status/943596069480484865


<解説>孤独を深めたメイ氏――ローラ・クンスバーグ政治担当編集長

デイミアン・グリーン氏は決して表舞台で脚光を浴びるような政治家ではなく、特に有名でもなかった。

しかし、メイ首相にとって極めて重要な味方だった。政界での友人だっただけではなく、メイ氏とは何十年来の親しい、真の友人だった。

メイ政権がここ数週間で、政策課題に関する主導権を一部取り戻すなか、英政界では冗談交じりに、政府は「弱く安定」しているとの声を聞く。

そのため、グリーン氏の辞任で突然、政権が再び大混乱に陥ることはないだろう。

だがメイ首相にとってこの決断は、非常に大きなものだった。

メイ氏は、自分の考えや性格をなかなか表には出さない政治家だ。自分を理解する数少ない人で、自身も信頼を寄せていた人を失い、メイ氏はさらに孤独な存在になった。


(英語記事 Damian Green sacked after 'misleading statements' on porn claims

提供元:http://www.bbc.com/japanese/42436586

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