WEDGE REPORT

2017年12月25日

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崔 碩栄 (チェ・ソギョン)

ジャーナリスト

1972年韓国ソウル生まれ。韓国の大学で日本学を専攻し、1999年渡日。関東地方の国立大学で教育学修士号を取得。日本のミュージカル劇団、IT会社などで日韓の橋渡しをする業務に従事する。現在、フリーライターとして活動、日本に関する紹介記事を中心に雑誌などに寄稿。著書に『韓国人が書いた 韓国で行われている「反日教育」の実態』(彩図社刊)、『「反日モンスター」はこうして作られた-狂暴化する韓国人の心の中の怪物〈ケムル〉』(講談社刊)がある。

 文在寅大統領が国賓として中国を訪問した。韓国内で今回の訪中は国民から相当に注目され、大統領がどこを訪れ、誰に会い、どのような演説をしたのか、一挙一動が国民の関心事となり、話題となった。ただ残念なことに、大統領の訪中ニュースの中で国民が注目していたのは、大統領の外交手腕や韓中関係の行方についてではない。大統領が中国で行った言動が、韓国国民としてあまりにも衝撃的なものだったためだ。

(YONHAPNEWS/AFLO)

大統領の「一人飯」と中国警備員による「記者暴行」

 既に日本のマスコミにも大きく取り上げられているのは、大統領の「一人飯」、そして大統領に随行していた記者が中国人警備員たちから暴行を受けた事件だ。大統領の中国訪問日程は12月13日から16日までの三泊四日。中国で食事をする機会は10回あった。話題になったのは、このうち中国の高官、あるいは要人と食事をしたのは14日の習近平主席との公式晩餐の席と、16日の重慶市党書記長との昼食会の2回のみだったのだ。

 青瓦台関係者らは「文大統領の実用的な性格が外交日程にも現れているという証」、「我々が食事の日程を組まずに勉強するために開けていたもの」と説明したが、その説明に納得する国民はほとんどいなかった。特に二日目の朝食、駐中国韓国大使と中国の大衆食堂でパンと豆乳を食べる姿が報道された時は、「可哀想だ」「情けない」というコメントが溢れ、中国による「門前払い」、「冷遇」、「非礼」との批判がおきた。
 
 同情と情けなさの入り混じった韓国国民の感情が「怒り」に変わったのは中国の警備員による大統領随行記者への暴行事件だった。韓流イベントで大統領について急いで移動していた複数の韓国人記者を中国の警備員たちが制止したことから、警備員と記者たちの間で小競り合いが生じ、記者たちが暴行を受けた事件だ。

 現地にいた記者たちを始め、韓国マスコミは一斉に中国側の行動を非難し始めたが、中国政府に謝罪を求めるのには最初から無理があった。なぜなら暴行した警備員たちは中国の公安などではなく、民間会社の警備員で、イベントを主催した韓国側で手配した警備員だったからである。

 それでも韓国世論は中国政府の謝罪と再発防止の約束は当然だと考えた。だが、中国政府の反応は「韓国が主催した自主行事で起きたこと。誰かが負傷したのであれば、当然関心を示す」(中国外交部のスポークスマン)という、韓国国民の期待とはあまりにもかけ離れた、遺憾表明に過ぎないものだった。

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