中東を読み解く

2018年4月16日

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包括的な戦略が欠如

 厄介事に手を染めたくないというのはトランプ氏に限ったことではない。英国のメイ首相も「攻撃が内戦への介入や政権交代を目指したものではない」ことを強調している。総じて言えるのは、特にトランプ大統領には「世界の不安定要因であるシリア問題にどう対処するのか、包括的な戦略が欠如している」(アナリスト)ことだ。今回攻撃に踏み切ったのは、シリア政策での弱腰を非難してきたオバマ前大統領に単に対抗するためだったのではないか。

 トランプ氏が「ミッション完了」という言葉をどんな意味で使ったのかは分からない。2003年5月、イラク戦争でフセイン独裁政権を打倒した時の大統領ブッシュ氏は米空母アブラハム・リンカーンの艦上で「ミッション完了」を宣言、勝利を内外に誇った。

しかし、米国はその直後から過激派組織「イスラム国」(IS)の前身だったスンニ派勢力とのテロとの戦いに苦しみ、イラクから米軍が完全撤退を果たしたのは8年後の2011年のことだった。トランプ氏が思惑通り、シリア紛争からきれいさっぱりと手を洗うのはそう簡単ではない。

  
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