ポンペオ米国務長官は5月21日、イラン核合意から離脱後の米国のイラン戦略についての演説を行った。その中で、同長官はイランに対し「前例のない圧力をかける」とした上で、以下の12項目を要求し、イランがこれら全てに応じるならば、米国は制裁を解除し外交関係を樹立しイラン経済を助ける用意がある、と述べた。核合意については、それ自体を交渉し直すことはしない、としている。
1. 核計画の軍事的側面につきIAEAに完全に説明し、恒久的かつ検証可能な形で核計画を永久に放棄すると宣言する。
2. ウラン濃縮を止め、プルトニウム再処理を追求してはならない。重水炉も閉鎖する。
3. IAEAに対し全土への無制限のアクセスを認める。
4. 弾道ミサイルの拡散を止め、核搭載可能なミサイルの発射と開発を停止する。
5. 拘束されている、米国、パートナー国、同盟国の国民を解放する。
6. ヒズボラ、ハマス、パレスチナのイスラム聖戦を含む、中東のテロ組織への支援を止める。
7. イラク政府の主権を尊重し、シーア派民兵組織の武装解除、非動員、再統合を認める。
8. ホーシー派民兵への軍事的支援を停止し、イエメンにおける平和的な政治解決に向けて取り組む。
9. イラン人司令官の下にある全勢力を、シリア全土から撤退させる。
10. アフガンにおいて、タリバンその他のテロリストへの支援を停止。アルカイダを匿うことを止める。
11. 革命防衛隊クッズ部隊による世界中のテロリストおよび過激派組織への支援を止める。
12. イスラエルを破壊するとの脅し、サウジとUAEに対するミサイル発射を含む、近隣国への脅迫的行動を止める。国際海運への脅迫、サイバー攻撃による脅迫も止める。
出典:Mike Pompeo ,‘After the Deal: A New Iran Strategy’, U.S. Department of State, May 21, 2018
https://www.state.gov/secretary/remarks/2018/05/282301.htm