今回と次回は、元女子プロレスラーの元気 美佐恵(げんき みさえ)さんを紹介する。テレビ番組「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」(日本テレビ系)の女子プロ予備校2期生(1993年公募)で、1994年にプロデビュー。最盛期、175センチ、95キロの大型パワーファイターとして活躍する。
全日本女子プロレス、ネオ・レディース、NEO女子プロレスに籍を置き、AWF世界女子シングル、NWA認定パシフィック&NEO認定シングル、初代大日本女子シングル、NEOタッグ(松尾永遠/田村欣子)、JWPタッグ(輝優優)などになる。2008年、35歳で引退。
元プロレスラーのザ・グレート・カブキさんが経営する居酒屋「かぶきうぃずふぁみりー」などで修業を積み、2016年から居酒屋「ねばーぎぶあっぷ。」の店主として奮闘する。
元気 美佐恵さんにとって、「使えない上司・使えない部下」とは…。
居酒屋 ねばーぎぶあっぷ。
JR飯田橋駅東口から徒歩5分。文京区後楽2-3-17(ベルサール飯田橋ファーストの前)。元プロレスラーのザ・グレート・カブキさんが経営する居酒屋「かぶきうぃずふぁみりー」の移転にともない、その後を引き継ぐ形で新装開店。
元気 美佐恵さん自ら厨房に立ち、料理をつくり、ビールやお酒をふるまう。かつての同期生の藤本由美さんがそれを支える。「かぶきうぃずふぁみりー」の常連客や、プロレスや格闘技が好きな会社員、学生、主婦、フリーターなどが連日集う。
後楽園ホールに近いこともあり、女子プロレスラーの現役、OG、男子プロレスラーの現役、OGの選手たちも来客する。元気さんと藤本さんの微妙のタイミングでかみ合ったり、かみ合わなかったりする独特のやりとりも、静かな人気がある。
ランチ(火、水、木、金曜日の11:00~)と夜(18:00~23:30、土曜日は23:00まで、日曜日・祝日は休み)の部があり、料理やメニュー、予約状況などはツイッターやフェイスブックなどで情報発信中。
あの頃の女子プロでは、練習生は人間扱いされません
先輩たちのことを「使える上司」なんて言葉で言ったら失礼になるから、とても言えません。私からすると、(女子プロレスラーの)井上京子さん(現 ワールド女子プロレス・ディアナ代表)はホントに尊敬できる先輩です。すばらしい方! 選手としても、生き方としても…。
私が全女(全日本女子プロレス)に入門し、練習生だった頃、井上さんが活躍していたんです。あの頃の女子プロでは、練習生は人間扱いされません。選手と話すことも許されない。練習生だった私たちが「おはようございます」と声をかけても、選手は見向きもしません。空気のような扱い…(笑)。京子さんだけが、「おはよう…」と軽く反応をしてくれたんです。そのまま、通り過ぎていましたが。
それでも、うれしかったですよ。小さな頃から、プロレスにあこがれていましたから…。小学生のときに(新日本プロレスの)タイガーマスクや、(女子プロレスの)クラッシュ・ギャルズ(長与千種さんとライオネス飛鳥さんによるタッグチーム)のマネをして、男の子とプロレスごっこをしていました。プロレスラーってこんなに恰好いいことができるんだって、テレビを真剣に観ていたんです。だから、現役バリバリの井上さんが「おはよう…」と小さな声を返してくださるだけで、うれしかったんです。すっごいオーラでしたよ。