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2018年6月12日

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ジェフ・セッションズ司法長官は11日、家庭内暴力やギャングによる暴力の被害者に対して米国への亡命を認めない決定を下した。

米国は2016年に、夫に虐待され強姦されたエルサルバドルの女性に亡命を認めている。

セッションズ長官は11日に開かれた移民関連事案を扱う判事たちが集まる年次会合で、「亡命に関する規定は、一般的な苦難に関する規定ではない」と述べた。

活動家らは、亡命を申請している何万もの人々に影響が及ぶと指摘している。

セッションズ長官は今回の決定に関する文書で、「一般的に、家庭内暴力あるいは非政府アクターが犯すギャング暴力に関連した外国人には、亡命の資格は与えられない」と述べた。

さらに、「家庭内暴力やギャング暴力といった特定の犯罪を取り締まる能力に問題のある国が存在する、あるいは特定の住民が犯罪被害に遭う可能性が高いという単なる事実だけでは、亡命申請の十分な理由にならない」とした。

なぜ今回の決定がされたのか

2016年12月に米司法省の入国不服審査会(BIA)は、エルサルバドルで元夫から「感情的、肉体的かつ性的」な虐待を繰り返し受けていたとして、米国への亡命を申請していた女性の主張を認めた。BIAの資料で「A-B」という表記で実名が伏せられた女性は、2014年に不法移民として米国に入国していた。

しかし、セッションズ長官は年次会合で、BIAが女性を「特定集団」の一員だと認めたことに反論。「亡命に関する規定はすべての不幸を救済するものではない」と語り、女性は国家が後押しする迫害の犠牲者ではなく、「個人的な犯罪行為」の犠牲者だと述べた。

正式な決定を前にセッションズ氏は会合で、「亡命は、世界中で人々が日々直面する、深刻なものも含めたすべての問題を緩和するためであったことはない」と語った。

移民事案を扱う裁判所は、セッションズ氏が率いる司法省の管轄下にある。

今後はどうなるのか

セッションズ長官による決定の影響が及ぶ申請案件の数は明らかではないが、活動家らは、毎年少なくとも1万人が母国での家庭内暴力やギャングによる暴力の被害を理由に米国への亡命が認められている。

移民を擁護する団体は、トランプ政権が推し進める移民を制限する政策の一環をなす今回の決定への反対運動を行うと表明した。

セッションズ長官は先週、親と一緒に米国に不法入国した子供たちを親から引き離すという司法省の方針を擁護した。

活動家たちによると、亡命に関する決定は特に、ギャングによる暴力が横行する中米への影響が大きいという。

中米からの移民は、ギャングによる暴力からの避難を移民する理由として挙げることが多い。

移民支援団体の反応

米国移民評議会のべス・ワーリン氏は、決定が「数え切れないほどの母親や子供たちが虐待者や犯罪ギャングの元に送り返されるだろう」と述べた。

「暴力の被害者たちに背を向け、深刻な危険がある場所に送還するのは、どの政権であっても目指す成果ではないはずだ」

移民改革を訴える団体、「アメリカの声」を設立したフランク・シャーリー氏はツイートで、「セッションズ長官は、燃え盛る家から逃げ出そうとしている中米の人々を閉じ込めた」とコメントした。

(英語記事 US rejects asylum case in landmark ruling

提供元:https://www.bbc.com/japanese/44449778

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