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2018年7月27日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

 「首都圏の東京23区内の新築マンション価格は5550万円で、1990年ころのバブル期の3850万円を超えている。しかし、契約率や価格の推移を見ると不動産バブルは起きていない」

 と、不動産コンサルタントの長嶋修氏は指摘する。東京オリンピッグ後に価格が下がるのではという予測に対しては「全くない」と否定するが、来年10月に予定されている消費税増税の影響は「思いのほか、大きいのではないか」とみている。

(voyata/GettyImages)

新築買えず、中古が人気

 首都圏のマンション価格は、2013年から急速に上昇、17年末には不動産指数でみると33%も上がっている。

 「これでは23区内の新築マンションは平均的なサラリーマンでは手が出せない贅沢品になっている。それを証明するように中古マンションに人気が出ている」

 不動産経済研究所などのデータをみると、都内の新築と中古マンションの価格を比較すると2000万円以上の差がついている。長嶋氏は、

 「ここまで価格差があると、中古を買って1000万円かけてリフォームしても、中古の方が安上がりという計算が成り立つ。以前は『人が使ったものは嫌だ』という見方があったが、最近はそうでもなくなってきている」

 と、中古マンション人気の背景を分析する。

 さらに日本の不動産市場は既に、三極化が起きていると分析する。

 「都心の良い場所に立地する高価格の約15%のマンションは価格がさらに上昇する。中間価格帯の約70%はだらだら下落する。最安の15%は値下がりし無価値になっている」

 その上で長嶋氏は「いま買うとしたら、上位15%の価値の落ちないものを買うか、70%の買うのなら価格下落について分かった上で買うか」のどちらを選ぶかだという。

長嶋 修(ながしま・おさむ)1967年生まれ。広告代理店、不動産デベロッパーの支店長を経験後、99年に個人向け不動産コンサルティングを行うさくら事務所を設立、現在は会長。2008年にホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。著書に『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』 (日本経済新聞出版社)など多数。
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