科学で斬るスポーツ

2018年8月2日

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玉村 治 (たまむら・おさむ)

スポーツ科学ジャーナリスト、科学ジャーナリスト

小学校より野球をはじめ、大学では投手として活躍。スポーツを科学的に分析することを得意とし、バンクーバー、ロンドン五輪、ワールドカップサッカーなどで取材。

 平昌五輪で羽生結弦が、フィギュアスケート男子66年ぶりの金メダル連覇を果たしてから早5カ月が経過した。羽生には、史上最年少で国民栄誉賞が贈られるなど今も話題を集める。けがとプレッシャーを克服し、偉業とも言える連覇の裏には、念入りに進められた身体づくり、スタミナ作りがあった。羽生がいかに自分と向き合い、並々ならぬ気持で五輪にかけてきたかが読み取れる。その一端を紹介する。

羽生結弦選手(写真:ロイター/アフロ)

2年前から科学的栄養摂取、本格化

 2014年のソチ五輪では、食が細く、スタミナが心配された羽生は、楽しく食べることなどを工夫し、4分30秒のフリーを見事滑りきった。その内幕は、「羽生結弦  金メダルのスタミナ作り」(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3826)で紹介した。

 その後も、羽生は科学的な食事、栄養摂取は連覇に不可欠と、重要視した。スタミナ、身体づくり、コンディショニング、メンタルなどすべての根幹にかかわることだからだ。今回はこうした実践、試合直前の何を食べたのか、メニューなどを含めて紹介する。

 羽生が体系的で、本格的なコンディショニングを始めたのは本番2年前の2016年10月。前回同様に味の素が、カナダをベースに活動を続ける羽生をサポートした。味の素は、その年の8月にブラジルで開催された、リオデジャネイロ五輪で競泳や体操男子の日本代表をサポート。競泳は、萩野公介(400m個人メドレー)、金藤理絵(200m平泳ぎ)の金メダル2個、体操は団体、個人総合の計2個の金メダルなどの結果を残した。

 羽生に対するプログラムで重点が置かれたのは、(1)勝つために、日々自分のコンディションを把握し、いかに練習、試合に臨むか(2)2年後にどうなりたいのかを描きながら体作りをする――の2点。短期的、長期的な目標を織り交ぜ、科学的に取り組んできたといえる。その具体的な実践は、競泳チームのプログラムを参考にしたとされる。

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