ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2018年9月4日

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佐藤達夫 (さとう・たつお)

食生活ジャーナリスト

1947年5月30日、千葉県千葉市生まれ。1971年北海道大学水産学部卒業。1980年から女子栄養大学出版部へ勤務。月刊『栄養と料理』の編集に携わり、1995年より同誌編集長を務める。1999年に独立し、食生活ジャーナリストとして、さまざまなメディアを通じて、あるいは各地の講演で「健康のためにはどのような食生活を送ればいいか」という情報を発信している。日本ペンクラブ会員、女子栄養大学非常勤講師(食文化情報論)、食生活ジャーナリストの会事務局長。主な著書共著書に『食べモノの道理』(じゃこめてい出版)、『栄養と健康のウソホント』(一般社団法人家の光協会)、『これが糖血病だ!』(女子栄養大学出版部)、『安全な食品の選び方・食べ方事典』(成美堂出版)、『野菜の学校』(岩波書店)、『新しい食品表示の見方がよくわかる本』(中経出版)ほか多数。講演活動では、「あなたはなぜやせられないか?」「生活習慣病は自分で治す」など肥満や糖尿病のメカニズムや、「健康長寿のための食事と生活」という食生活と健康にまつわる最新情報を、医師の視線ではなく、一般の人にわかりやすいことばで提供する。あるいは、健康を保つ上で欠かせない技術としての「安全な食品の選び方」や「食品表示の見方」あるいは「健康にいい野菜の栄養情報」を、やさしく解説する。また、長年、女性雑誌を編集してきた立場から、「男性の家事が社会を変える」「中高年からの二人暮らし」などのテーマで、男性の家庭内自立を説く。

ある調査によると、約6割の消費者がいわゆる“健康食品”を利用している。しかも、消費者の約4人に1人(!)が「ほぼ毎日利用している」のだという。その実態は、比較的高齢者が多いのだが、毎日の食生活に不安を感じているビジネスパーソンの中にも、健康食品を利用している人は多いのではないだろうか。「健康食品で不健康になってしまう」ことのないように“正しい付き合い方”を身につけておこう。

(Kwangmoozaa/iStock/Getty Images Plus)

私たちが食べている物はすべて「健康食品」

地球上にヒトという生物が出現した当時、体が大きくはなく、走る速度も速くはなく、力も強くはなく、大きな牙も鋭い歯も持ち合わせてはいないヒトは、「食べ物」を手に入れるのがさぞかし大変だったはずだ。
そのためヒトは、地球上のあらゆる物(基本的には他の生物)を口にしてきたに違いない。

中には毒のあるものもあっただろうから、食べて死んだヒトも少なくはなかったろう。
死には至らなくとも、健康を害したケースは枚挙にいとまがないはずだ。
あらゆる物を“口にしてきた”経験から、ヒトには「健康にいい物」だけを食べる知恵がついた。
私たちはその「健康にいい物」を、いま「食品」として認識している。

なので、「食品」はすべて健康にいい物ばかりである(食べすぎたり偏食しすぎたりさえしなければ・・・・)。
言い方を変えれば、私たちが食べている物はすべて健康食品である。

“個別”に“ヒト研究”が行われ“認可”されるのがトクホ

日本人の疾病構造が変わり、健康と寿命が食習慣によって左右されることが明らかになったころから、「食べ物と健康との関係」が特別にクローズアップされるようになった。
科学が進むにつれて、食品への興味は、食品に含まれる栄養素への関心へと移っていった。
最初に着目されたのはビタミンとミネラル。

ビタミンとミネラルを“一定量以上・一定量以下”含む食品を「栄養機能食品」と指定し、主として病院などで(あるいは専門家の指導の下に)使用されるようになった。
ビタミンとミネラルに関しては、栄養素としての研究がかなり明らかになっているので、一定量を含んでさえいれば(人体実験などをしなくとも、また、厚生労働省への届け出や認可がなくとも)「栄養機能食品」であることを表示できる。
これを規格基準型健康食品と呼んでいる。

ビタミンとミネラル以外の栄養成分に関しては(それほど研究が確立してはないために)“栄養成分を一定量含んでいるだけ”で「健康にいい」ということを表示することはできない。
特定の食品(商品)を用いて、人間を対象にした研究(ヒト研究)を行ない、その効果が厚生労働省に認められなければならない。
これをクリアした食品(商品)が「特定保健用食品(いわゆるトクホ)」だ。

つまりトクホは、その効き目が(対象が限定されてはいるが=後述)それぞれの食品(商品)ごとに「個別に確認」されてある(それを厚生労働省が認めている)。

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