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2018年11月30日

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朴承珉 (パク・スンミン)

在韓ジャーナリスト

在ソウルジャーナリスト。元・時事通信ソウル支局記者。文藝春秋・週刊文春ソウル特派員。長年、北朝鮮問題をウオッチ、平壌、開城工業団地、板門店、金剛山など7回以上北朝鮮の地に入って取材。日本の新聞、テレビ、雑誌などに寄稿・解説。韓国の新聞などに寄稿している。

 9月の韓国の青年失業率は10%を超えた。就活中かアルバイトをする人を除けば、実際に体感の青年失業率が23%という研究結果もある。青年失業者40万人の最悪の状況だ。就活うつも平均の3倍と言われる。それでも3K業種など中小企業の場合、求人難に陥っていて、外国人労働者を雇用するところが多い。

 法務省の集計によると、今年8月末現在、就職ビザを受けた外国人労働者は102万人だ。これに観光ビザをもらって入ったり、就職の滞在期間が過ぎたのに滞在している不法滞在者33万人を合わせると、全体の外国人労働者は135万人以上になる。不法滞在者は昨年末に25万1041人から今年8月まで33万5000人と急増した。平昌冬季五輪当時、入国審査が緩和された影響などで不法滞在者が急増したと分析する(法務省移民調査課)。

(gorodenkoff/Gettyimages)

"雇用許可制"

 ところで、中小企業等が外国人労働者を採用するためには、関連法律である「外国人労働者の雇用等に関する法律」(以下、外国人雇用法)を守らなければならない。これは、"雇用許可制"ともいう。雇用許可制とは、内国人(韓国人労働者)を採用できなかった企業が合法的に外国人労働者を雇用するように認める制度だ。会社や雇用主などが雇用規定に違反すると、過料など不利益が伴う。

 外国人雇用法は03年7月に国会で可決され、04年8月から施行されている。07年に既存の"産業研修生制度"が廃止され、雇用許可制が全面的に施行されている。韓国人の雇用機会の保障と3K業種や中小企業などの人手不足現象を解決するとともに、外国人労働者に対する効率的な滞在管理のために導入された制度だ。

 雇用許可制は、雇用主が希望する熟練な外国人労働者を円滑に確保できるようにするため、最初の3年間の雇用後に、勤労契約を結び再雇用できるように制度が改善された。国内の就職期間を3年に限定したのは、外国人労働者の定住化を防ぐためのものと解釈される。"外国人労働者"とは、雇用許可制により非専門就職ビザ(E-9)の発給を受け、人手不足の国内企業など単純技能業種に就職するため入国し、合法的に仕事中の人をいう。

 外国人労働者が韓国で就職できる期間は3年で、就職期間満了後には必ず出国しなければならない。出国後6カ月(地方の製造業および育児ヘルパーの場合、出国後2カ月)が経過しなければ再就職できないようになっている。ただ、就職後3年の期間が満了した労働者のうち、出国前に会社が再雇用許可を要請した労働者に対しては、1回に限り、2年未満の範囲(1年10ヵ月)で就職活動期間を延長してもらえる。韓国人労働者と同様に、労働関係法(賃金、労働時間、週休日、年次休暇など)が同一に適用され、4大保険や最低賃金、労働3権などの基本的な権益を保障しなければならない。

建設労働者は不法滞在者の就労に反対

 日本政府は少子高齢化による人手不足で外国人労働者を拡大しようとする動きを不安視する人たちもいるようだが、韓国では労働組合が不法滞在者の就職に反対して集会を開いた。「移住労働者センターを血税で支援しながら、国内の建設労働者はそっぽを向く。外国人の人権も重要だが、大韓民国政府は国民の雇用保護に優先的に努めるべきだ」(韓国労働組合総連盟) 韓国労総が、不法滞在の外国人労働者問題を本格的に扱う集会を開いたのは、今回が初めてだ。それだけ雇用に対する危機感を表わしたものといえる。

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