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2019年5月27日

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25日夕から令和初の国賓として来日しているアメリカのドナルド・トランプ大統領は26日、北朝鮮が今月上旬にミサイルを2度発射したことについて、「小型の兵器」で心配はないと述べた。ミサイル発射は制裁違反だとするジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)との見解の違いが浮き彫りとなった。

トランプ大統領は、「北朝鮮は複数の小型の兵器を発射し、一部のアメリカ国民などを動揺させたようだが、私はそうではない。私は金正恩委員長が私との約束を守ってくれると確信している」とツイートした。

ボルトン大統領補佐官は25日、都内で記者団に対し、これらの発射実験は国連安全保障理事会の制裁決議に違反していると述べていた。

トランプ大統領がボルトン氏や、公式訪問中の日本とは異なる見解をツイートするのは、今回が初めてではない。

日本の安倍晋三首相は14日の政府与党連絡会議で、北朝鮮の発射実験は「極めて遺憾」だと述べ、ボルトン氏と同様に、国連制裁決議の違反だとして北朝鮮を非難した。

トランプ氏とボルトン氏は、政情不安が続く南米ヴェネズエラや、核合意をめぐるイランとの関係悪化への対応方法など、外交政策をめぐり食い違っている。

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トランプ氏はツイートでさらに、民主党から2020年米大統領選に出馬する予定のジョー・バイデン前副大統領を北朝鮮が「低脳」と罵倒したことについて、「ほほ笑んだ」と書き、歓迎する姿勢を示した。


北朝鮮が実験した兵器とは

トランプ大統領と金委員長が昨年6月にシンガポールで初対面して以降、米朝の関係改善は近く実現するのではないかとみられていた。

ところが、今年2月のヴェトナム会談が合意なしで終わったことで、ここ数カ月間の米朝関係は悪化している。

両国の緊張が高まる中、北朝鮮は複数の兵器の発射実験を行なった。

北朝鮮は4日、同国東部の江原道元山(カンウォンドウォンサン)に近い虎島(ホド)半島から複数の短距離ミサイルを発射。さらに9日にも短距離ミサイルを発射した。北朝鮮のミサイル発射は2017年11月29日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星(ファソン)15」以来、1年5カ月ぶりだった。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は先月18日、「強力な弾頭」を装着した新型の「戦術誘導兵器」の発射実験を行い、金委員長が視察したと報じていた。

金委員長は昨年4月、核実験とICBMの発射実験中止と核実験場の廃棄を表明しており、今回の発射実験は米国との約束を破るものではない。

しかし、短・中距離ミサイルの射程圏内に入る日本には不安をもたらすとみられる。

安倍首相は14日、北朝鮮によるミサイル発射実験は「国連安保理決議に違反するものであり、極めて遺憾」だと述べた。

「米国をはじめ関係国と緊密に協力し、安保理決議の履行を一層強化するなど、しかるべく対応をしていく」

2017年、北朝鮮は複数回ミサイルを発射。日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したほか、日本の上空を通過するなどしたため、トランプ大統領は安倍首相に対し、アメリカは「必要であれば」ミサイルを迎撃できると伝えた。

トランプ氏の訪日の目的とは

トランプ大統領は安全保障問題について協議する予定だ。北朝鮮の核・ミサイル計画が主要な議題とみられる。

また、日米間の貿易不均衡を是正するための合意を結びたい考えだ。

日本は、安全保障や経済の観点から、アメリカの最も重要な同盟国の1つとされ、トランプ大統領は定期的に安倍首相と会談を行なうなど、両国の関係強化に努めている。

https://www.instagram.com/p/Bx6HvwtgQu-/

トランプ大統領と安倍首相は26日、朝食を共にした後、両首脳の共通の趣味であるゴルフを楽しんだ。千葉県内のゴルフ場で、約2時間かけて計16ホールを回った。午後には、現職の米大統領として初めて大相撲を観戦し、初優勝した前頭の朝乃山関に「米大統領杯」を授与した。

27日午前には天皇、皇后両陛下がトランプ大統領夫妻と会談した。新天皇が即位後に外国元首と会うのは初めて。


一方、日本の茂木敏充経済財政・再生相と、来日中の米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表は25日夜、早期合意に向けて日米貿易協定交渉を加速させるため、閣僚会議を行なった。

日米貿易の不均衡を主張するトランプ大統領は25日、都内で行なわれた日本の企業関係者との会合で、「日本は本当に何年もの間、有利な立場にあった」と主張。

詳細は明かさなかったものの、貿易状況は「もう少し公正」になるだろうと述べた。

(英語記事 Trump downplays North Korea missile test

提供元:https://www.bbc.com/japanese/48418804

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