北京の大洪水は、多くの中国人によって、過去の帝国の衰退の予兆になぞらえられており、時代は変わっても、人民は徳のある政治を求めている、と7月27日付WSJ社説が述べています。
すなわち、多くの中国人は、歴代の王朝における治水の重要性と比較して、今回の洪水を論じている。もちろん、工業化、都市化で条件は変わっているが、中国では天命という考え方はいまでも残っている。
過去の中国の経済発展は目覚ましく、共産党政権は、生活水準の向上に寄与してきたが、 薄煕来事件など幹部の腐敗も甚だしくなった。中国人民が不満なのは、単に下水道の不備だけでなく、幹部の腐敗汚職だ。
毛沢東は伝統的な道徳は否定した。また、過去三十年の経済成長もあったが、人民はいまでも天道を期待している。それは人民の意思を認めると言うことであり、結局、民主主義のみが洪水の災禍に耐えられるのだ、と論じています。
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北京の人々は、今回の大水害を過去の王朝の崩壊の前兆になぞらえているようです。それを報じたのがこの社説です。
中国共産党幹部の汚職腐敗を大々的に暴露した薄煕来事件は、その後、これに蓋をして過去のものにしようという中国当局の努力もあって、その余波もおさまりつつあるようですが、今回の洪水のような事件があると、その後遺症がはしなくも表に出て来るもののようです。