ペコペコ・サラリーマン哲学

2009年3月13日

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 最近、「日本はこの不況をいつごろ脱出できるか」という質問を受けることが多くなりました。私は、エコノミストではないですから、普段はこういう質問にはあまりお答えしないのですが、状況があまりに深刻なので、「少なくとも5年、最悪の場合10年かかるかもしれない」とお答えするようにしています。

 私は、38年間勤めていた信越化学工業で、オイルショックや円高不況、バブル崩壊など、いくつかの大不況を経験してきましたが、今回のような不況は経験したことがありません。あらゆる取引は「数量×単価=金額」が基礎になっていますが、米サブプライムローン問題に始まった今回の経済・金融危機は、「世界中の誰もが、数量も単価もわからない」という恐ろしい事態に陥っているのです。

 深刻さがつかめないような真っ暗闇のなかで、根本的な原因の解決には手をつけず、各国が景気対策を打ち続けているわけですから、資本主義始まって以来の危機といっていいでしょう。ですから、ただちに経済が回復するとはとても思えないのです。 このような深刻な時代を、私たち一人ひとりはどのように生き抜けばよいのでしょうか。今回は、そのことについてお話したいと思います。

節約する、借金しない、投機しない

 私は以前から、「家計を国際基準に!」という主張を唱えています。「家計」とは「家庭」の「会計」です。家計も会計のひとつなのですから、企業会計と同じように、国際会計基準などに適合した考え方が必要だと思っています。

 家計でもバランスシートが重要です。企業と同じように、収入を増やし、支出を減らして、現金を増やし、借金を減らして、貯金する。この厳しい時代を生き抜くために、家計にとって、もっとも大事な考え方は「現預金を少しでも増やす」ということです。

 具体的に言えば、「節約する」、「借金を増やさない」、「投機は一切やらない」の3つです。

 「節約する」とは、収入を増やす努力をし、徹底的にコストを切り詰めることです。家族みんなで力を合わせて収入を増やし、支出を減らすのです。夫婦は共働きして、それぞれの小遣いは減らす。いっとき流行した貯金型の生命保険はやめて、掛け捨て型の安い保険に切り替えましょう。

 子どもの教育費だって聖域ではありません。私の経験から言えば、「ににんが四」の法則と呼んでいるのですが、小・中学校の間は一人当たり月2万円、高校生になれば一人あたり月4万円の範囲で、塾から水泳、ピアノなど全ての習い事にかかる経費をなんとか収めることが可能です。

 家計簿をつけることも大事です。でも家計簿は挫折する人が大部分です。私自身、何度も失敗しています。私は、「日経式おとこの『家計簿』」(日本経済新聞社との共著)という本を書いていますが、家計簿は年3回1週間、これ以上つけてはいけないと思っています(詳しくは3月19日発売の「日経マネー」に説明しています)。

 節約ばかりの生活を送るとつまらなくなり、時には旅行や買い物に奮発したくもなるでしょう。しかしその場合も、節約して浮いたお金の範囲内で「ムダづかい」するよう心がけるべきです。

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