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2013年10月31日

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佐々木智弘 (ささき・のりひろ)

防衛大学校人文社会科学群国際関係学科准教授

1994年慶應義塾大学大学院前期博士課程修了。日本貿易振興機構アジア経済研究所東アジア研究グループ長を経て、2014年2月から現職。共著に『習近平政権の中国』(アジア経済研究所)、『現代中国政治外交の原点』(慶應義塾大学出版会)。

まるで外遊成果報告会

 注目するのは、習近平が力を入れる3点のうちの(1)と(2)である。これらは、先述の周辺外交工作の方向性に沿ったものと見ることができる。しかし、(1)は、習近平が最近のロシア、中央アジア、ASEAN外遊で提起したことであり、単に習近平の外遊の成果を総括して宣伝しているにすぎないようにも思える。

 また(2)は、安全分野に関わるものだが、現在周辺外交の最大の争点である海洋権益問題に触れていない。(1)でかなり個別の項目が上がっていることに比べると違和感がある。周辺諸国と安全分野での協力を深め、相互信頼を強調するだけでは、海洋権益問題により悪化している周辺の関連国との関係がこれまでのところうまく改善していないのが現実である。そのためにどうするのかを、(2)は語っていない。海洋権益問題は意図的に避けたものと見られる。

これも習近平の権威を高めるため

 開催スタイルが座談会で、テーマが「周辺外交工作」という個別すぎることから、強引に設定された会議に常務委員全員が無理矢理参加させられ、習近平の最近の外遊の成果を聞かされた会議のようである。これもまた3中全会を前に習近平が権威を高めることが目的という習近平のリーダーシップの脆弱性を浮き彫りにしているようにしか思えてならない。

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