2024年4月27日(土)

BBC News

2024年3月29日

ドイツでダックスフントが禁止される――。そんなニュースが今週、イギリスで流れ、愛好家らを驚かせた。

この報道の元となったのは、ドイツ犬連盟(VDH)が同国の「動物保護法案」への反対運動を開始したことだった。

この法案は、動物を苦しめる繁殖を取り締まることを目的とし、犬の特定の特徴について、「痛み、苦しみ、ダメージ」を引き起こす恐れがあると規定する。

VDHは、これがソーセージのような体型の犬ダックスフントの繁殖の禁止につながると危惧している。足が短く、背骨が長いため、膝や腰、背中に問題を起こしやすいからだ。

さらに、ブルドッグやパグなど、呼吸に問題を起こしやすい犬も標的にされる恐れがあると、VDHは言う。

これに対し、独農業省は、「犬の繁殖が禁止されることはない」としている。

同省の広報官は法案について、「私たちは、犬が苦しむような奇形をブリーダーが作り出さないようにしたいだけだ」と説明。「これまでにないとか、美的感覚が満たされるなどといった理由で、動物が苦しめられるべきではない」と述べた。

「ダックスフントはこれからも存在する。ただ、脚の長さが1センチのようなものを目にすることはない」

「拷問繁殖」

ドイツでは「拷問繁殖」と呼ばれる行為は30年前から違法となっている。ただ、これまでは法律があいまいで、さまざまな解釈が可能だった。

新たな法案では、どのような繁殖が動物を苦しめるかについて、正確な科学的基準を示す。現在生きている動物は続けて飼育できるが、繁殖やショーへの出場は認められない。

ダックスフントはドイツで狩猟用に品種改良された。短い足と長い胴体は、穴に潜り込むのに役立った。

ロンドンの動物病院「ヴェッツ・オン・ザ・コモン」のマイケル・ラザリス氏によると、ダックスフントは背骨が伸ばされているため、5頭に1頭は椎間板の病気を患っているという。また、足が短いため、慢性的な股関節や膝の病気に悩まされることもある。

一方、動物愛護団体「ペタ」のドイツ支部は、ダックスフントやパグ、フレンチブルドッグ、イングリッシュブルドッグなど17犬種について繁殖の禁止を求めている。今回の法案にこれらの犬種も含めるべきだとするオンライン請願書には、これまで7万人近くが署名している。

法案はドイツで今年中に内閣に提出され、その後連邦議会に提出される。

イギリスでダックスフントをめぐってちょっとしたパニックが起きたことを、ドイツ最大の新聞ビルトは、「イギリス人がドイツのソーセージ犬を心配している」と面白がって伝えた。

(英語記事 Stay! Germany denies reports of sausage dog ban

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c4n744289elo


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