科学で斬るスポーツ

2014年2月7日

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玉村 治 (たまむら・おさむ)

スポーツ科学ジャーナリスト、科学ジャーナリスト

小学校より野球をはじめ、大学では投手として活躍。スポーツを科学的に分析することを得意とし、バンクーバー、ロンドン五輪、ワールドカップサッカーなどで取材。

 2010年のバンクーバー五輪で、難度の高いトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を3回成功させたものの銀メダルに終わった浅田真央(23)(中京大学)。その悔しさをバネに、この4年間、国際大会でもがき苦しみ、最愛の母の死も乗り越え、自分と向き合い続けてきた。金メダリストで、最大のライバル、韓国の金妍児(キム・ヨナ)(23)が多くのメジャーな大会に出場しなかったのと対照的で、名伯楽、佐藤信夫コーチ(72)とともに、一からスケーティング、ジャンプの改革に取り組み、精神的、技術的に大きく成長した。

浅田真央選手(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 今回ソチ五輪で見せるトリプルアクセルを含めた演技構成は、女子フィギュア史上最も高度な挑戦とも言われる。最後の五輪と位置付ける浅田の挑戦、その舞台裏を、フィギュアの競技の見どころを含めて紹介する。

ブレーキをかけて、氷上ジャンプ

 優雅なスピン、華麗なスケーティングや豪快なジャンプで観客を魅了するフィギュアスケート。なぜあんなジャンプや加速ができるのか、採点はどうなっているのか疑問を持つ人は多いだろう。まずは、フィギュアスケートの楽しさを倍増させる基礎知識を簡単に説明したい。

 「ジャンプは、水平の速度(助走)を上向きの速度に変えること。それには、ブレーキをかけて力の方向を変える必要がある。幅跳びでは踏み切り動作でブレーキがかかる。スケートでも同じこと」と、スポーツ科学に詳しい、池上康男・愛知淑徳大学教授は語る。

図1:走り幅跳びは、ブレーキをかける踏み切りの動作で、上向きの力Fを得る。それでジャンプできる。(提供:池上康男教授)
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