WEDGE REPORT

2014年6月11日

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 インドネシアの首都ジャカルタ中心部から車で約1時間。西ジャワ州バンタルグバン地区には、生活ゴミが積み上げられ山になっている地帯がある。

 レジ袋などを拾い、生計をたてる人々がいる。数百枚単位の束にして業者に売る。大量のレジ袋には、驚くほどの数のハエが群がり、水たまりは不気味な色で濁り悪臭を放つ。その周囲で子どもたちが遊ぶ。

ゴミが散乱する中で暮らす子どもたち。笑顔を見せるが、成長しても希望を抱けない(撮影・筆者)

 「この子たちは親が出生届を出さないため小学校に入れない。夢を持つ素晴らしさ、外にある広い世界を知りません」と、シギト・ウィドドさんは語る。

 この地にボランティアたちが資金を集め設立した学校がある。教師を雇い小学校教育を行うが、卒業資格は得られない。シギトさんたち日本留学経験者で構成するボランティアも直接、子どもたちを教育しようと3年前に週末だけの日本語教室を始めた。「私たちが教えられるのは日本語だけ」とシギドさんはいう。

 日本語のあいさつや歌を教える。外国語で歌えることは子どもたちの自信につながっていく。夢を語れなかった子どもたちが、今では日本の新幹線に乗りたい、雪を見たいと話す。夢を持てば、「ゴミ山」から抜け出すことができる。違う世界があることを知る。ボランティアたちは、他地域へも広げていく目標をもつが、資金的な課題がつきまとう。

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