ヒットメーカーの舞台裏

2015年3月4日

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池原照雄 (いけはら・てるお)

ジャーナリスト

1950年生まれ。専門紙や全国紙の経済記者として自動車、エネルギー、金融、官庁などを担当。00年からフリーになり幅広い執筆、講演活動を展開。著書に「トヨタVSホンダ」(日刊工業新聞社)、「図解雑学 自動車業界のしくみ」(ナツメ社)など。

 洗剤の泡と水流で便器を自動洗浄する機能で人気を得た初代「アラウーノ」を8年ぶりにモデルチェンジし、2014年6月に投入した。新たに小便の跳ね返り防止などを徹底追求し、トイレ全体を清潔に保つようにした。3機種あって税抜き価格は30万円前後と高級タイプだが、14年度上期の売れ行きは計画の2.5倍と、同社でも異例の快走だという。

台所用の洗剤を泡立て、便器に自動投入して洗い流す

 新築向けとリフォームの両方に対応し、現在はリフォームが半数強を占める。新築用は商品の認知に時間がかかるので、リフォームの好調がスタートダッシュにつながっている。

 アラウーノシリーズは、06年の初登場から便器部分に有機ガラス系の樹脂素材を採用している。陶器よりも水アカが付きにくく洗浄に適しているからだ。素材自体は陶器より高いが、加工コストを含めると同等に収まることも決め手となった。

 初代モデルから好評の自動洗浄は、台所用の中性洗剤を泡立てて便器に自動投入し「スパイラル水流」という渦巻きを起こして洗い流す方式。便器内部の形状は、渦巻きができやすく、かつ便の跳ね返りを抑制する設計としている。

 今回のモデルチェンジは12年初めに着手。初代も担当したエコソリューションズ社洗面トイレ商品企画チームのチームリーダー、酒井武之(41歳)が引き続き責任者を務めた。自動洗浄の一段の進化とともに、新たに「トリプル汚れガード」という訴求力のある機能を付加した。

 開発に当たり、初代モデルのユーザーからの改善要望を分析すると、便座の裏や便器の外側の汚れ、さらに便器周りの床の汚れを挙げる声が圧倒的だった。酒井によると「いずれも小便に起因する汚れ」であり、「その対策を徹底的にやろう」とチームで意思統一を図った。

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