世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年7月24日

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 6月19日付のナショナル・インタレスト誌で、元米海兵隊グレグソン中将、日米は、フィリピンの台風災害に共同して対処し大きな成功をおさめたが、今後は、更に伝染病対応についてベトナムなどとの連携を推進すべきだと論じています。

平成25年台風第30号(Haiyan)による被害(画像:iStock)

 すなわち、昨年11月、強力な台風がフィリピンを直撃し、大きな被害をもたらした。フィリピンの要請を受けて日米が迅速に展開した支援活動がなければ、犠牲者は破滅的な数に上っただろう。日本の自衛隊と在日米軍は、通信、航空、港湾などのインフラ維持や上空からの偵察など必要な政府組織能力の維持を支援し、医療を含む救援物資の配布などを支援した。日本と米国の艦船は非常に重要な役割を果たした。

 日米が迅速に行動したことが最も重要であった。我々は詳細な現状把握を待つことなく行動を取った。直ちに前方に移動し対応することが重要である。日米の行動は地域の国々に模範例を示した。後日、在京フィリピン大使は、日本を名指しして「同盟国」だと述べた。

 アジアは多くの自然災害や伝染病の問題を抱えている。今回の最大の教訓は、問題が起きた際、隣国を支援する意思と能力を養成することは、アジアの安定推進に取って必要かつ効果的な方法だということである。

 もう一つ日米がすべきことは、日米のこのような地域での活動にベトナムとの協力を含めることである。その際、伝染病への対応は、インフラ対応に比べてもっと複雑である。国内の危機は地域の発展に影響を与えるし、混乱の中での人口移動や、難民、犯罪、汚職などは民主制度や政治的安定をも損なう。

 伝染病への対応について、我々の部隊や関係機関はもっと準備しておかねばならない。この地域にもっと強力な医療安全対応能力を展開しておく必要がある。例えば、「国際医療対応イニシアチブ」といったものを、日米同盟を基礎にベトナムと協力して立ち上げることができれば、地域の医療強靭性を強めることになるし、地域の早期警戒ネットワークの立ち上げにつながることになる。現在米国は、海軍のパシフィック・パートナーシップや空軍のパシフィック・エンジェルの活動をしているが、これに医療、歯科、獣医活動を追加すべきであり、引き続き、同盟国や友邦国による参加を拡大していくべきだ。

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