世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年12月14日

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 米カーネギー平和財団のショフ上席研究員とキム客員研究員が、11月9日付の同財団のサイトに連名で論説を掲げ、日韓は、両国の戦略的利益と共通の価値の追求を通して、和解と協力を進めるべきである、と述べています。

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現状変更の度悪化する日韓関係

 すなわち、11月2日の日韓首脳会談は正しい方向への一歩だが、日韓は相互信頼と協力の促進という長期目標に焦点を当てていくべきだ。現在の問題は、歴史、領土、貿易などの紛争に起因するが、このような状況が国交正常化50年を経ても続いていることは悲惨だ。

 韓国の経済発展と民主化が進むにつれ、“日本は過去の植民地支配を十分に反省していない”との長い間鬱積していた韓国側の感情が両国関係の重要な問題となった。他方、多くの日本人は韓国が日本の過去の謝罪を充分に評価していないと考えている。両国の指導者はこの認識のずれを管理するよう努めてきたが結果はまちまちだった。

 日韓関係は北朝鮮の脅威や経済危機など相互の戦略的な必要性が弱まる時に、また一方が歴史、領土問題に関する現状に変更を試みる時に悪化する。韓国にとって今の重要課題は慰安婦問題だ。安倍総理の側近が河野談話の有効性につき疑問を呈すると韓国は憤慨する。日本は法的請求権の問題は協定により解決済みとして韓国での徴用工問題訴訟に怒っている。

 皮肉なことに対米関係が日韓に緊張をもたらすこともある。日韓双方が自国こそが強固な対米同盟関係を築いていると信じるようになる。さらに中国が日韓の新たな障害になっている。日本は中国の脅威を重視し、韓国は貿易の重要性と北朝鮮対応に当たっての中国の支持の重要性を強調する。

 日韓は共有する利益や共通の価値、経済の相互依存を見るべきだ。新たな日米防衛協力ガイドラインは北朝鮮の崩壊や紛争の場合に日本からの支援に機会を開くものだ。

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