BBC News

2016年2月4日

環太平洋経済連携協定(TPP)の参加12カ国は4日、ニュージーランドの都市オークランドで協定文書に署名した。

5年の交渉を経て昨年10月に基本合意した協定により、世界の経済活動の約4割を占める経済圏が生まれる。

今回の署名を受けて焦点は今後、2年の期間が設けられた各国での批准手続きに移る。

式典では、オーストラリアのアンドリュー・ロブ貿易相を皮切りに各国の代表が署名。ニュージーランドのトッド・マクレー貿易相の署名で締めくくられると、会場から拍手が沸き起こった。

TPPは、米国、日本、マレーシア、ベトナム、シンガポール、ブルネイ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、メキシコ、チリ、ペルーの12カ国で構成されている。

参加国の国内にはTPPへの反対意見もある。特に米国では、協定によって国内の雇用が発展途上国に奪われてしまうのでないかと懸念されている。

「21世紀のルールを決める」

しかし、オバマ米大統領は3日に発表した文書で、TPPが「米国の労働者を一番大切にする」新しい種類の貿易協定だとし、「協定は米国を他の主要経済、特に中国に対して優位にする」と述べた。

同大統領はさらに、「TPPによって、21世紀の道筋を作るルールを、中国などの国々ではなく米国が決めることができる」と述べた。「今年中にTPPを批准し、手にすべき成功に向かって米国の労働者が努力できるようにするべきだ。米企業が世界で競争し、勝てるようにするべきだ」。

署名式典が開かれたオークランドのほか、米国など参加国内でも反対デモが過去数カ月にわたり行われている。

オークランドでは、4日の式典を前に、労働者よりも企業を利するとしてTPPに反対するデモ隊が警官らと衝突。デモ隊がオークランド・ハーバー・ブリッジにつながる道を閉鎖し、オークランド中心部が一時混乱状態になった。

合意の背後

TPPにより、国内総生産(GDP)で世界の約4割を占める12カ国の間で投資が活発になることが期待されている。

米国が主導してきたTPPは、オバマ大統領が唱えるアジアに軸足を移す政策を反映したものだが、11月の大統領選を前に国内で論争が激しくなっている。

残る任期が1年を切るなか、オバマ政権はTPPが批准されなければ米国経済が損失を被ると警告している。

マイケル・フロマン米通商代表は、TPPによって米国が得る経済効果は年間1000億ドル(約11兆8000億円)に上る可能性があると説明。フロマン氏は、「5年にわたる交渉の末にTPPが署名されることは、アジア太平洋またそのほかの地域に高い水準のルールを設定し、米国の労働者、農家、企業に恩恵をもたらす合意に達する努力において重要な節目となる」と述べた。

(英語記事 Trans Pacific Partnership trade deal signed in Auckland)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35489735

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