BBC News

2016年2月7日

北朝鮮は7日朝、長距離ロケットを発射した。国連安保理決議で禁止されている長距離弾道ミサイルの発射実験とみられる。国営・朝鮮中央テレビは同日正午(日本時間午後0時半)、「地球観測衛星の軌道進入を完全に成功させた」と「特別重大報道」を放送した。

日韓両政府によると、北朝鮮は7日午前9時31分ごろ、北西部の東倉里(トンチャンリ)から「人工衛星の打ち上げ」と称してロケットを南方向へ発射。約10分後に沖縄県上空を通過したもようだ。

日米韓の3政府は国連安保理に、緊急会合の開催を要請。7日中にも開かれる見通しという。

北朝鮮はこれまでに、人工衛星の打ち上げ予告を国連に通告しており、韓国の専門家たちは故・金正日総書記の誕生日2月16日を前に北朝鮮が発射を実施するのではないかと予測していた。

北朝鮮は1月6日には、同国が水爆実験だと主張する核実験を実施している。

北朝鮮は一貫して宇宙開発計画は平和目的だと主張してきたが、日米韓だけでなく、同盟国の中国でさえ、米国本土を射程距離内に収める大陸間弾道ミサイルの開発を進めているものとみている。

「深刻な脅威」

日本の安倍晋三首相は記者団に対して、「断じて容認できない」、「明白な国連決議違反だ」と批判した。

国連安保理決議は北朝鮮に対して、核実験や弾道ミサイル実験を禁止している。

国連の潘基文事務総長は、発射について「非常に嘆かわしい」と批判し、北朝鮮に「挑発的行為を止めるよう」呼びかけた。

スーザン・ライス米大統領補佐官(安全保障担当)は、北朝鮮の弾道ミサイル技術使用は「またしても、不安定化をもたらす挑発的な行為」だと批判。「北朝鮮のミサイル・核兵器開発は、我が国の利益および最も親しい同盟諸国の安全保障に対する、深刻な脅威である」と声明を発表した。

米ニューハンプシャーでは、長距離ロケット発射の一報直後に大統領選の共和党討論会が始まったため、同党の候補指名を目指す各候補は反応を求められた。

実業家ドナルド・トランプ氏は、中国との協力がカギだと発言。「自分なら中国に働きかける。(北朝鮮の)問題は中国が解決するといい。中国なら素早く的確にできるはずだ。北朝鮮については、我々はそうすべきだ」と述べた。

ニュージャージー州のクリス・クリスティー知事は「向こうはタフな姿勢や力の誇示しか理解できないんだ」と述べた。

北朝鮮ロケット発射の流れ

・2016年2月――人工衛星を搭載しているという説明のロケット発射

・2015年5月――北朝鮮は潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を初成功させたと発表。他国は信ぴょう性を疑う。

・2012年12月――人工衛星の打ち上げ名目で3段式のロケット「銀河3号」を発射。米国防総省は軌道上への到達を確認。

・2012年4月――3段式ロケットが発射直後に爆発し、海へ落下。

・2009年4月――3段式ロケット発射。北朝鮮は成功したと主張するが、米国は失敗して海へ落ちたと。

・2006年7月――長距離ミサイル「テポドン2号」の発射実験を実施。米国は、発射から間もなく失敗したとみている。

(英語記事 North Korea fires long-range rocket despite warnings)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35515285

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