中露からの防衛
中小国のみでの対応は無理?


世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察するコラム。

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1月27日付のWar on the Rocksで、ジョンズ・ホプキンス大学SAIS教授のトマス・マンケンが、中小国にも、ロシアや中国のような国の侵略を防ぐ戦略がある、と述べています。論説の要旨は、以下の通りです。

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中小国防衛に求められる4つの戦略とは

 小国は大国の圧力、特に軍事侵略に至らないレベルの強要に晒されやすいが、対抗する手段はある。

 それは、限定的目的を持った競争的戦略と称すべきもので、4つの戦略が考えられる。

 1)拒否:敵に受け入れ可能なコストで侵略させない戦略である。最近の精密兵器の発達で、小国が拒否戦略を実施しやすくなっている。対戦車誘導兵器(ATGM)、精密ロケット、無人偵察機、地対空ミサイルなどで、バルト3国に少数のATGMを供与すれば、ロシア軍に対する拒否戦略となる。

 2)対決の継続または紛争のコストを耐えがたいほど高くすること:冷戦中、米国はソ連に対して、この戦略を実施した。

 3)敵の戦略に対する攻撃:たとえばウクライナやバルト3国でのロシアの行動を、ソーシャルメディアで取り上げ、ロシア国民に知らせる。また南シナ海における中国の行動を知らしめるのに、商業メディアが使われた。

 4)敵の政治システムに対する攻撃:敵が政治的に崩壊するか、譲歩するかを迫る。もっともプーチンに対する国内の支持は高いようだし、南シナ海における中国の強要は、民族主義的誇りに支えられている。しかし以上の4つの戦略を打ち立て、実施すれば、時間とともに敵の指導層の分裂を招くこともあり得る。

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