2024年4月20日(土)

家電口論

2016年4月24日

 前のレポートで、ユーザーサイドから見ると、自由化された電力料金プランは、予想したより値下げ幅が少ないことをお伝えしました。今回は、なぜ値下げ幅が低いのかを考えてみます。

電気は基本エネルギー

 賛否両論ある日本国憲法ですが、国の最も基本となる法律です。
その第25条で次の様に定められています。

 1. すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

 2. 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 この中にある「健康で文化的な最低限度の生活」ですが、その中で使われる主なエネルギーは間違いなく電気です。まず照明がない生活は日本ではありえません。何より東京電力時代の料金プランの名前が、「従量電灯B」。料金プランの基が透けるようです。また、冷蔵庫、洗濯機等の家電がないと日本では生活し辛くて仕方ありません。そう、電気は国の基本エネルギーに位置するのです。

電気料金のしくみ

 東京電力の従量電灯Bの、電力量料金を眺めてみてください。

 三段階に分かれ、単価が上がっています。使えば使うほど、単価が上がるというのは実に可笑しな料金プランです。自由競争ではありえません。いつも10個100円で買っているリンゴ。100個買ったら1100円取られたようなものです。即座に別の店を探しますよね。

 前のレポートでもお話ししました通り、単身世帯で、今様の家電を使うと、大体月平均:300kWhです。普通の場合、120kWhで分ける理由などないのです。この120kWh以下の低価格帯は、社会保障の家庭のためだと思われます。120kWhというと「照明」「冷蔵庫」「炊飯器」の基本家電が使えるレベル。決して、エアコン付けっぱなし、電気ストーブ付けっぱなしができるレベルではありません。

 300kWh以下が年金暮らしなどが中心の単身世帯。ここも余り収入がありませんから、多量に利を得ることはできません。もしそうでないと、年金で暮らしていけない国になってしまいますから。300kWh以上になると、収入もそれなりにあります。利はここから頂こうと言うわけです。今まで電気料金が自由市場と異なるのは、基本エネルギーだからです。


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