家電口論

2016年4月24日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

スマート家電グランプリ審査員。主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。また米・食味鑑定士の資格を有する。水、米、パン、珈琲、お茶の味に厳しい。

東京ガスのプラン

 さて、東電が総合エネルギー会社になった時、一番ユーザーを奪われるのは、東京ガスです。その東京ガスは電力自由化の際、電力の販売を始めました。2017年より前に、ユーザーを囲い込む作戦ですね。

 東電は電気の販売で利益を出さなければなりませんが、東ガスはガスで儲けていますので、電気で儲ける必要がありません。目的はユーザーの囲い込みですから、電力は買った価格で右から左へ流してもイイわけです。

 350kWh以下は、購入価格と推定される23円台。300kWh以上でも、25円台。その上、4月に関西電力との提携も発表しました。2017年のガス自由化時の東電に対して、今から十分な対応をしているわけです。

中国電力のプラン

 電力自由化ですから、電力会社は、今までのように限定されたエリアだけで売る縛りがなくなります。人口の集中する東京は電力を多く使うユーザーもいるため、いろいろな会社が虎視眈々と狙っています。とは言うモノの、設備産業である電力会社は、「全国を我が手に!」という天下統一の野望とかはないです。もし成し遂げるとなると、膨大な発電所を一手に持つことになりますし、基本エネルギーのあり方としてはありません。

 むしろ、自由化の前の状況をキープしたい。ユーザー数を維持したいというのが電力会社の本音です。しかし自由化になりますと、いろいろな会社が参入します。ユーザー数は減ります。このため、電力会社は元々他の電力会社のユーザーを、引き込もうとします。

 東京エリアに対し、中国電力が提案したのは以下のプラン。東電「従量電灯B」からの変更という条件が付きますが、基本料金なしの、25円台/kWhの均一料金。

 さすがに同業者ですね。相手の懐事情を読んで、ユーザー奪取に来たわけです。ここでいう懐事情は「発電システム」「使用燃料」です。例えば、その約50%近くを原子力発電に頼った関西電力。それが再稼働できない今、火力発電に切り替えなければなりません。つまり、コストの割高な火力発電に変え、赤字化したわけです。今、世界的な不況により石油、LNGの供給と需要のバランスが崩れ、石油、LNGは大幅に値下がり、黒字化していますが、2011年の原発事故以降、電力会社としては、想定外が続いているわけです。

 当然想定外ですので、一時的なこと。基本的に燃料の価格は、石炭<天然ガス<石油の順です。もうお分かりですね。中国電力は石炭火力発電なのです。これが、中国電力は基本料金なしの、25円台/kWhの理由です。

 では、逆に中国電力に弱みはないのでしょうか? ありますね。持っている発電所の数が少ないのです。つまり東電が持っているユーザーが乗り換えたら、即パンクです。このため、従量電灯Bからのみの乗り換えと条件を付けたわけです。戦いの鉄則は、勝てる相手と勝負をすることです。東電は、関西電力にうって出ています。今、一番アグレッシブなのは、電力会社なのかも知れません。

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