WEDGE REPORT

2016年5月7日

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 5月8日は母の日。花き業界にとっては、1年のうちで最も大事な稼ぎ時である。小誌記者は、「母の日はカーネーションという常識を変えた」といわれる洋蘭生産者に会うべく、3月半ば熊本県宇城市戸馳島にある宮川洋蘭を訪ねた。そこでは、母の日に開花時期を合わせた、洋蘭「デンドロビューム」栽培の最終調整に入っていた。

『母想い』と名付けられたデンドロビューム(撮影 Masataka Namazu)

 ところがその後、もう準備も万端という中で、震災に襲われた。宮川洋蘭でも一時電気が止まるなどの被害は出たものの、幸い深刻な被害はななかった。一方で、洋蘭園を経営する宮川将人氏(37)は、被災地域に4トントラックで救援物資を運んだほか、売り上げの一部を被災地に送る救援物資などにあてるなどした。

カーネションよりも売れた花

 宮川氏が育てるデンドロビューム、12年5月に8日間で約4800万円を売り上げ、楽天市場の総合ランキング1位となり、カーネーションよりも売れた。洋蘭農家の3代目として生まれた宮川氏は、大学卒業後の2年間、「世界の蘭王」と呼ばれるアンディ松井氏(81)へ弟子入りした。若くして米カリフォルニア州サリナスにわたって薔薇の栽培で成功し、63歳からはじめた蘭生産でも成功したアンディ松井氏は、1億ドルにも及ぶ資産を築いたという立志伝中の人である。

 アンディ氏は90年代に南米から安い切り花が入りはじめると、いち早く生産品目を、リビングでも手軽に栽培できるミニ洋蘭に変更した。地元のスーパーに置いてもらえるように交渉して流通についても自前で開拓。宮川氏は「成功の反対は失敗ではなく、何もしないこと」だと学んだ。また、当時アメリカで普及していたeコマースの息吹にも触れることができた。

胡蝶蘭の原種「ミディ胡蝶蘭アマビリス」(撮影 Masataka Namazu)

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