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2016年6月3日

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フランスが主導する中東和平に向けた国際会議がパリで3日、開幕する。イスラエルとパレスチナの和平交渉の再開を目指すもので、米ロに国連、欧州連合を加えた「中東カルテット」のほか、アラブ連盟や主要国が参加する。ただし当事者のイスラエルとパレスチナは今回出席しない。イスラエルは協議を受け入れず、直接交渉を求めている。

イスラエルとパレスチナの直接交渉は2014年4月を最後に停止している。当時は双方の敵対的な空気のなか協議はまとまらなかった。

パレスチナはイスラエルが拘束者を解放する約束を守っていないと非難し、イスラエルはパレスチナ自治政府がイスラム原理主義組織のハマスと統一政府を作ったことを批判し、交渉の席を立った。

外交官らによると、3日の協議では各国が過去に示したすべての経済的誘因や約束を整理し、秋の本格的な協議で話し合う項目を決める。

フランス外交筋はAFP通信に対し、今回の会議では、2002年にサウジアラビアが提案しアラブ連盟が採択した「アラブ和平イニシアティブ」が話し合われると述べた。アラブ和平イニシアティブは、アラブ諸国がイスラエル国家を承認する代わりに、1967年の第3次中東戦争時にイスラエルが占領した地域にパレスチナ国家を樹立させるというもの。

イスラエルのネタニヤフ首相は先月30日、アラブ和平イニシアティブには「前向きな要素」が含まれていると述べた。

しかし、イスラエルのドア・ゴールド外務次官は、フランス主導の会議を、1916年に植民地支配国の間で中東地域の国境線を決めたサイクス=ピコ協定になぞらえ、直接交渉のみが対立を解消できると述べた。

ゴールド外務次官は、「当時の努力は失敗に終わったし、現在でも完全に失敗する」とし、「中東で本当の平和を実現する、安定した地域的な合意が得られるのは、地域の人間がお互いの間に合意を見い出した場合のみだ」

ネタニヤフ首相は1日、「双方が前提を置かない形での直接交渉」を訴えた。

ケリー米国務長官もパリの会議に参加するが、米政府高官がロイター通信に語ったところによると、米国が新しい提案をする予定はない。

1990年代初頭からイスラエルとパレスチナとの間で和平に向けた協議が繰り返し行われている。

最も合意が難しい問題には、聖地エルサレムの位置づけやヨルダン川西岸の占領地域でのユダヤ人入植、パレスチナ国家が含まれる。

パレスチナは、ヨルダン川西岸で国家を樹立し、東エルサレムを首都とすることを求めている。1967年の第3次中東戦争以来、東エルサレムを占領してきたイスラエルは、エルサレム全体が分割できない首都だと主張している。国際社会はそれを認めていない。

1967年以来、イスラエルは100以上の入植地をヨルダン川西岸や東エルサレムに建設してきた。国際法上、入植地は違法とみなされるが、イスラエルは反論している。

(英語記事 Middle East peace talks to start in Paris)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36441856

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