前向きに読み解く経済の裏側

2016年8月8日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。主に調査関連部署に勤務した後、2005年に銀行を退行して久留米大学へ。著書に『増補改訂 よくわかる日本経済入門』(朝日新書)、『老後破産しないためのお金の教科書』(東洋経済新報社)、『世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書』(宝島社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)など多数。

 本稿は、「前向きに読み解く経済の裏側」というシリーズの一貫です。このシリーズ名を決める際に筆者が考えたのは、「世の中には悲観的な情報ばかり溢れているので、物事を前向きに捉えて情報発信をしている事をアピールしたい」との思いからでした。今回は、その前提となった世の中の悲観バイアスについて考えてみましょう。

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そもそも悲観的な情報の方が発信されやすい

 以前の当欄で、「満足している人は黙っているが、不満な人は声をあげる」「円高で儲かっている会社は黙り、苦しんでいる会社は声を出す」といった話をしました。「儲かっている」と言うと、労働組合や下請け部品メーカーなどが賃上げや値上げを要求してくるから言えない一方、苦しい企業は「ボーナスを我慢して欲しい」「部品を値下げして欲しい」と言うために苦しさを強調する、というわけです。

 これだけでも、楽観的な情報より悲観的な情報が世の中に溢れやすいという事がわかります。日本では、自慢より謙遜が尊いとされているので、なおさら悲観的な情報が流れて来ます。儲かった話を自慢すると強盗が来ると考えて黙っている、という人もいるかも知れません。 

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