前向きに読み解く経済の裏側

2016年6月27日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。主に調査関連部署に勤務した後、2005年に銀行を退行して久留米大学へ。著書に『増補改訂 よくわかる日本経済入門』(朝日新書)、『老後破産しないためのお金の教科書』(東洋経済新報社)、『世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書』(宝島社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)など多数。

 統計を見ると、米国軍人の死亡率は米国人平均より低いのです。でも、その統計に基づき「米軍は安全な所だ」と宣伝する人がいたら、問題ですよね。どうしてでしょう?

 これに似たような話は、身の回りに数多く見られるかも知れませんから、今回は、統計使いに騙されないための注意点について考えてみましょう。

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サンプルの属性を考える

 これまで、因果関係や前年比など、統計を扱う際の留意点について述べてきました。今回は「統計は嘘をつかないが、統計使いは統計を使って嘘をつく。だから統計使いに騙されないように注意しよう」という話をしましょう。

 最初は、冒頭の米軍の話です。米国軍人には、老衰で死亡する人はいませんが、米国人には多数います。そうです。安全性の問題ではなく、年齢が違うから死亡率が違うのです。こうした問題に対処するため、20代から50代の健康な男性を米軍から1000人、米国人から1000人集めて来て比較をする、といった工夫が必要です。

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