前回、『世の中の情報には悲観的バイアスがかかっている』を記しましたが、今回はその極端な例についてです。
iStcok
評論家の中には、破滅シナリオを予言し続ける人がいます。誰が見ても変だ、と思われる超悲観論を述べ続けるのです。素人にも「本当にこの人は専門家なのか?」と思われるような人が、どうして専門家として食べていけるのでしょうか? 実は、彼等は意外と合理的な行動をとっていて、充分に食べていけるのです。筆者は、彼等の戦略を「止まった時計戦略」と呼んでいます。今回は、その戦略について考えてみましょう。
固定客をしっかり掴み、討論会でも活躍できる
世の中には、ネクラな人、ネアカな人が一定割合でいます。そうした人々は、景気がどうであれ、「今後は悪くなる」と思いたい人は、専門家の悲観的な話を聞きたがり、「今後は良くなる」と思いたい人は、専門家の楽観的な話を聞きたがります。つまり、暗い話にも明るい話にも、常に一定程度の需要はあるのです。固定客です。