2024年4月29日(月)

Wedge REPORT

2009年12月20日

 巻き返しを図るべく、国土交通省は04年、京浜港・伊勢湾・阪神港の3地区を国際競争力のあるコンテナ貨物のハブ港として「スーパー中枢港湾」に指定した。しかし、港湾管理者は地方であるため、国の直轄事業でも地方が財政支出を決断しなければ大規模な港湾整備は思うように進まない。加えて、例えば京浜港で東京・横浜・川崎港にあるコンテナ機能を1箇所に集約しようにも、その利害調整は難しく、必ずしも機能分担ができていない。

 このように、地方への権限移譲がその後の国主導の事業を円滑に進めることを難しくさせることがある。

 地域の最適解と国全体の利益が一致しない場合に国家戦略をどう進めるのか、分権論議と並行して詰めておくべきだろう。

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◆「WEDGE」2010年1月号

 

 
 

 

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