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2016年8月10日

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今秋の米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏が9日に、民主党候補のヒラリー・クリントン氏を止められるのは銃保有の権利の行使だと示唆する発言をしたことに、怒りの声が上がっている。

米南部ノースカロライナ州で開かれた支持者集会で、トランプ氏はクリントン氏が大統領になれば最高裁判所にリベラルな判事を指名し、銃保有の権利を脅かすと述べた上で、武器保有の権利を定めた合衆国憲法修正第2条を支持する人々によって阻止できるかもしれないと述べた。

トランプ氏が暴力を示唆したとして、インターネットなどで強く反発する声が出ている。一方、トランプ氏の選挙対策本部は、発言は、銃保有の権利を擁護する有権者の投票行動によって政治的な変化を生むことだったと説明した。

トランプ氏は集会で、「ヒラリーは修正第2条を廃止、実質的に廃止したいと考えている。ところで、もし彼女が判事を選べるのなら、みなさんにできることは何もない。しかし、修正第2条の人々には、もしかしたらできることがあるかもしれない。分からないけれど」と語った。

トランプ氏の発言直後に、後ろに座っていた男性が信じられないという表情をした様子がネット上で話題を集めている。

ツイッターでは、暴力をけしかけているような発言だとしてトランプ氏を非難するコメントが相次いだ。

民主党のクリス・マーフィ上院議員(コネティカット州選出)は、「本当のドナルド・トランプよ、これはお遊びじゃない。強力な銃を所持し、制限のない憎しみをヒラリーに対して持つ不安定な人たちがあなたに耳を傾けている」とツイート。さらに、「これは政治的な判断ミスなんてものじゃない。暗殺の脅迫だ。国家的な悲劇と危機の可能性を非常に高めている」と述べた。

クリントン氏の選対本部を率いるロビー・ムック氏は、「トランプ氏が言っていることは危険だ」とコメントした。

しかし、トランプ氏の選対本部はすぐに反論し、トランプ氏は銃保有の権利を擁護する有権者が大挙して投票した場合の影響力について語っていたとした。

選対本部は文書で、「これは団結による力だ。修正第2条を支持する人々は素晴らしい精神を持っているし、とても団結しているので、非常に強い政治力がある」とし、「そして今年、記録的な数の人々が投票する。ヒラリー・クリントンにではない、ドナルド・トランプのためだ」と述べた。

ニューヨーク元市長のルドルフ・ジュリアーニ氏はトランプ氏を支持し、発言は明らかに脅迫などではなく、メディアが「ヒラリー・クリントン勝利に向けた陰謀」に加担していると語った。

集会に参加していた人々はCNNテレビの取材に対し、トランプ氏の発言は冗談だとはっきりしているし、即興で話したというのが好ましいので、懸念していないと語った。

全米ライフル協会(NRA)はトランプ氏の発言を支持し、クリントン氏は修正第2条を守らない最高裁判事を指名すると警告した。

クリントン氏は銃規制の強化を選挙運動で訴えているが、銃保有の権利を廃止したいと考えていると裏付けるものはない。

シークレット・サービスの報道官は、トランプ氏の発言を認識しているとした以上のコメントは避けた。

(英語記事 US election: Anger over Donald Trump gun rights remarks

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37030962

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