世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年11月7日

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 米国のリバランス政策を知る上で有益な演説です。手堅い力量を発揮しているカーター長官のリバランスにかけるコミットメントの強さが窺われます。日本にとっては心強い政策宣言となっています。

サプライズ投資

 キーワードは、①米展開部隊の質的、量的拡大、②「原則に基づく包含的な安全保障ネットワーク」の構築という二つです。戦後のアジア太平洋のハブ・アンド・スポーク体制に多国間協力の枠組みを補強していくものであり、理屈に合う政策方向です。ここでは、「原則」と「包含」という二つの制限句が目を引きます。紛争の平和的解決や国際法順守など国際社会の原則の重要性を強調しています。他方で、排他的なものでないことも示そうとしています。しかし、いずれもアジア太平洋で挑戦を惹起している台頭する中国に対して、「立ち向かう」ことと「中国封じ込めではない」ことを念頭に置いた文言であることは明白です。

 オバマ大統領もカーター長官も約3カ月で任期が終わります。日本としては、リバランスが次の米政権にも引き継がれていくよう見届けることが重要です。なお、本演説がTPPの重要性を述べていること、詳細は言えないとしつつ、リバランス第三段階でサプライズの投資をする」と述べていることなどにも関心を惹かれます。

  
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