世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年11月7日

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 米印関係は緊密である(防衛技術貿易イニシアティブ等)。シンガポールには米国の沿岸戦闘艦船やP8哨戒機が展開中。越には軍事機器の移転が可能となった。今秋には米の駆逐艦が30年ぶりにニュージーランドを訪問する。

海洋安全イニシアティブ

 昨年、米国は比、越、インドネシア、マレーシア、タイの間で「海洋安全イニシアティブ」に合意、ハードウェアの供与を含めてこれらの国々の間の協力強化を支援していく。米国は中国との間で意思疎通強化や計算間違い低減のために、最近、海洋行動に関する措置と危機意思疎通の措置という二つの信頼醸成措置を締結した。軍高官協議も定期的に開催。しかし、海洋、サイバーなどでの中国の最近の行動については深刻な懸念を持っている。中国は原則の摘み食いをしようとしている。中国は国際社会の原則を等しく順守すべきだ。 

 リバランスの第三段階では、米軍の戦力を先鋭にする。詳細は言えないが、サプライズの投資もする。アジア太平洋の国々は米との連携を求めている。米国はこれに応えていく。それにより「原則に基づく包含的な安全保障ネットワーク」が確実に発展する。それは正式の同盟ではないが、安全保障の協力と原則の擁護に資する。

 ネットワークは既に進展している(日米韓協力の進展、インドネシア、マレーシア、比による共同海洋パトロール開始、ASEAN国防相会議プラスなど幅広い多国間枠組みの芽生え)。将来、豪州のP8にシンガポールの要員が乗り込み、米の駆逐艦と連携して捜索救助活動ができるかもしれない。航行の自由もネットワーク参加国の共同パトロールによって守っていくことができるかもしれない。

出典:Ashton Carter,‘Remarks on “The Future of the Rebalance: Enabling Security in the Vital & Dynamic Asia-Pacific”’(U.S. Department of Defense, September 29, 2016)
http://www.defense.gov/News/Speeches/Speech-View/Article/959937/remarks-on-the-future-of-the-rebalance-enabling-security-in-the-vital-dynamic-a

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