WEDGE REPORT

2016年11月24日

 「値下げだけで消費マインドが高まるような時代ではなくなってきた。セールなどのキャンペーン効果も持続期間が以前より明らかに短くなっている」

 そう話すのは、今年4月に牛丼より50円安い豚丼を4年ぶりに復活させた、吉野家の代表取締役専務・門脇純孝氏だ。牛丼の値下げや割引クーポン券の配布など、これまでも様々な値引きセールを打ってきたが、過去の同種のキャンペーンと比較すると、効果の持続期間がどんどん短期化しているという。

4年ぶりに豚丼を復活させた吉野家(写真・REUTERS/AFLO)

 ファミリーレストランの「ガスト」を展開するすかいらーくは、今年9月に、期間限定で一番人気のメニュー・チーズINハンバーグを150円値引きし、399円(税抜き)で販売した。同社広報は、「今年に入って、確実に消費マインドが落ち込んできている。これまでも、消費増税時などに同様の値引きを実施したことがあるが、今回は従来よりも客足が伸びなかった」と話す。

 総務省によると、今年9月の消費支出(2人以上の1世帯当たり)は26万7119円で、前年同期比2・1パーセントの減少となった。これで7カ月連続の減少である。

 一方、賃金は上昇基調にある。厚労省が発表した9月の毎月勤労統計では、最低賃金の引き上げ効果もあり、実質賃金(事業所規模5人以上)は前年同月比で0・9パーセント上昇し、8カ月連続で前年実績を上回っている。

 「実質賃金が増加し続けているにもかかわらず、消費支出の減少が止まらない状況は極めて珍しい。これは従来にはない〝新型〟のデフレかもしれない」と日本経済大学の西村尚純教授は指摘する。

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