BBC News

2016年11月29日

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シリア政府軍が反政府勢力が支配してきた主要都市アレッポ東部の掌握を進めるなか、反体制派の最大組織「高等交渉委員会」(HNC)はBBCに、たとえアレッポが政府軍に陥落しても、アサド政権との戦いは終わりではないと述べた。

HNC上級交渉人のジョージ・サブラ氏はBBCワールドサービスに対して、反政府勢力がアレッポを失っても「革命が終わるわけではない」と述べた。「革命にとってアレッポは重要な拠点だが、最後の拠点ではない」。

反政府勢力がアレッポを失えば、和平合意は今まで以上に実現が難しくなると認めた上で、「自由シリア軍が支配下におく地域はほかにたくさんある」と強調した。

サブラ氏はさらに、シリア政府と支援国が展開する軍事作戦は、「政治プロセスの一部を無効にしている。このような状況では誰も、平和的解決のことなど考えられない」と批判した。

シリア政府軍は激しい空爆に援護されながら2週間かけて、反政府勢力が支配していたアレッポ東部の3割以上を、奪還した。アレッポ東部の北の地域はすべて、政府軍に陥落した。

反政府勢力は、防御しやすい前線に後退したと説明。激戦が展開した週末には、市民数千人がアレッポ東部を脱出した。

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ロシア国防省は、反政府勢力の支配地域の4割にあたる12地区を失ったと発表した。

専門家たちによると、アレッポを失えば反政府勢力にとって深刻な大打撃となる。かつてシリアの商工業の中心地だったアレッポは、2012年以来、政府が西部、反政府勢力が東部を支配し、分断されてきた。しかし昨年9月に、アサド政権を支持するロシアが介入を開始して以来、政府軍はアレッポで勢力範囲を拡大してきた。

アレッポ東部の民間救援団体「ホワイト・ヘルメット」の広報担当イブラヒム・アブ・アル・レイス氏は、「市民の多くが家を失い、士気は地に落ちた。市民は道端で眠っている。飲むものも食べるものもない」とAFP通信に話した。

国連は「深く憂慮」していると表明し、戦闘地域に人道援助が入れるようにとあらためて対応を呼びかけた。

ロンドン拠点の非政府組織「シリア人権監視団」は、アレッポ東部から最大1万人の市民が、政府支配下の西部やクルド人支配下の北部に避難したとみている。

まだ反政府勢力が支配するアレッポ東部の南地区にも、数百人の避難民が集まり、住民は毛布などを譲り合っているという。

シリア紙アル・ワタンは、政府軍は今後、アレッポの残る反政府勢力地区を「コントロールしやすい」ように細かく分断していく作戦だろうと書いている。

(英語記事 Syria conflict: Aleppo defeat 'not the end for rebels'

提供元:http://www.bbc.com/japanese/38140613

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