WEDGE REPORT

2016年12月1日

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 トランプ次期米大統領(70)は新たに財務、商務長官などの重要閣僚の人事を発表したが、最重要の国務長官にミット・ロムニー元共和党大統領候補(69)を起用するかをめぐって側近グループの対立が激化。トランプ氏がロムニー氏指名に傾いていると見られる中、第3の候補も急浮上している。

三つ星「ジャン・ジョルジュ」で再会談

食事を共にするトランプ氏とロムニー氏(Getty Images)

 国務長官は大統領継承順位で言えば、副大統領、下院議長、上院議長に次いで第4位の最重要閣僚で、歴代米政権の中でもとりわけ特別視されてきたポストだ。トランプ政権の国務長官候補として、当初リードしたのはジュリアーニ元ニューヨーク市長だった。

 元市長はトランプ氏が予備選に立候補した時からの熱烈な支持者で、同氏への忠誠心はことのほか強い。外交政策や考え方もトランプ氏に同調しており、強硬派の側近グループが強く推薦、自身も国務長官就任への意欲を隠すことなく示してきた。

 しかし外交は全くの素人で、その手腕に大きな疑問符が付く上、国際的に展開するビジネスが公職との利益相反に抵触する恐れが強いことなどから一歩後退した格好。その代わりに有力候補に踊り出たのが元共和党大統領候補で、党主流派のロムニー氏だった。

 トランプ氏はロムニー氏と19日に会談。29日もニューヨークの「トランプ・インターナショナル・ホテル」内の三つ星フレンチ「ジャン・ジョルジュ」で夕食を共にしながら再会談した。会談には、ホワイトハウスの首席補佐官に任命されたプリーバス共和党全国委員長も同席した。

 約2時間の会談後に記者団の前に姿を現したロムニー氏はトランプ氏のこれまでの政権人事を称賛し「彼こそ明るい未来に導いてくれる人だという希望を与えてくれる」と語った。酒をたしなまない両氏だが、最高級のフレンチに舌鼓を打ちながら人事にまで話が及んだのか、全米の注目の的だ。

 選挙期間中の2人の非難合戦はひどいものだった。ロムニー氏がトランプ氏を「ペテン師」「インチキ」と口を極めて非難すると、トランプ氏がロムニー氏を「ぺンギンのように歩く何をやっても失敗するヤツ」と罵った。

 トランプ氏がこうしたロムニー氏を国務長官候補として検討しているのは、ロムニー氏のビジネスやマサチューセッツ州知事時代の手腕を評価していることに加え、同氏を政権内に取り込むことによって政権への批判を封じ込め、ぎくしゃくしてきた党主流派との融和のシンボルにしたいとの意向が働いているからだ。

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