ネット炎上のかけらを拾いに

2017年2月1日

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 ただ、この記事で気になるのは、ヌード撮影をすすめる説明である。

 着衣撮影ではなくヌード撮影にこだわる理由について、この記事ではこう書かれている。

 「工業化が進む中、妊娠・出産は人間も自然界の一部であることを再確認できるタイミング。人間以外の動植物は衣類を纏うことなく生活しています。妊娠・出産も同じくそのままの姿で行われています。

 人間は生活条件や社会性の観点から衣服が着用されます。社会性のある生命体には衣服は必要。妊娠・出産時には安心・安全な場所で生命力を使う姿として、本来の姿=ヌードになることもおすすめです」

 説明がない。それらしいキーワードを連ねた文章が並ぶだけで、説明しているようで何も説明していない。ただ、これは恐らく、こういうふわっとした言葉遣いが好きな人や、「波長の合う人」にはビビッと来る文章なのだろう。

「妊婦ヌードは反抗期の子どもに効果的」の謎

 さらに不可解なのが、妊婦ヌードは反抗期の子どもたちにも有効だという説明だ。

 「反抗期は人間の成長において必要な時期だと認識しつつも、親も子も悩みながらぶつかりながら過ごす日々です。

 そんな中、妊婦ヌードや、授乳ヌード写真をこっそり目につくところに置いておくと効果的ですよ。愛おしく自分を見つめてくれていた過去の姿を思い返すことができます」

 この部分を疑問に感じた人も多いようで、ツイッターでは「反抗期の時にそんなもの見せつけられたら、取り敢えず破り棄てるだろうな」といったコメントが見られる。前出の斎藤氏も、「ドヤ顔で母親の妊婦ヌードを見せられた思春期の子の内奥に密かに芽生える殺意とか想像も出来ないんだろうな」と厳しいコメントをしている。

 筆者も「反抗期の子供の気持ちを雑に取り扱いすぎだろ」というコメントと似た気持ちを感じた。まるで、「このありがたいお守りを目立つところに置いておくと、家内安全商売繁盛ですよ」と言われているような気持ちになる。前半で特に根拠なく妊婦ヌードの必要性を説き、後半ではさらに反抗期の子どもにも効果的と続ける。そう、この記事は徹頭徹尾、「おまじない」や「信心」の類に近い。

 もちろん、おまじないも宗教も信じる人の自由だ。ただ、この記事の執筆者である大葉ナナコ氏は、過去に東京都青少年問題協議会委員を務めたほか、2013年には環境省の「グッドライフアワード」実行委員に就任している。

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