妊婦がマタニティヌードを撮るのは勝手だが、それを「反抗期の子どもにも効果的」と言うのはどうなのか。
気持ち悪い?「妊婦ヌードのススメ」
先週末、プチ炎上していたのがAll Aboutに掲載されていた「『妊婦ヌード』のススメ」という記事だ。この記事は精神科医の斎藤環氏がツイッター上で「あまりにもきもちがわるいので炎上目的で投下します。誕生学代表による『妊婦ヌードのススメ』だそう」と言及したことによって、広く拡散された。
プチ炎上していたとはいえ、記事自体は表題通り、さしたる情報もなくふんわりと妊婦ヌードを勧めるもの。女性誌の妊婦ヌード特集を100倍薄めたような内容で、正直なところ、さらっと一読する限りなら毒にも薬にもならないような記事だ。「誕生学」と、これにまつわる議論を知らない人からすると、炎上の理由がわかりづらい記事だと言える。よって、まず記事の内容について順を追って説明したい。
記事は、「最近、マタニティヌードに関するニュースが多くなりましたね。歌手のhitomiちゃんが大胆な妊婦ヌード写真集を出したことも話題になりました」とスタート。hitomiがマタニティヌード写真集『LOVE LIFE2』を出したのは2009年で、今から8年も前のことなのだが、それはまあいい。ここからしばらく、妊婦ヌードの美しさや、恥ずかしがらずに「神秘的かつ生命力を開花させる姿」をぜひ撮っておくべきだという説明が続く。
一般人にヌード撮影をすすめることの意味がよくわからないという人もいるだろう。ただまあ、おすすめされた人が皆そろってヌードになるわけではないし、おすすめする自由も、すすめられてヌード撮影する自由もあるだろうと思う。
また、芸能人だけでなく一般の人でも最近はSNSなどでマタニティフォトを披露している姿を実際に見かける。もちろんフルヌードではなく、お腹だけを露わにするなど露出を抑えたものや、着衣の場合もある。筆者自身はそれらを見て不快だと感じたことはなく、むしろいい写真だと感じた。つわりや体の変化など大変なことも多い妊娠中の楽しみ方の一つとして、面白い「イベント」だと思う。実際、記念になるだろう。