フィナンシャル・タイムズ紙の2月26日付社説が、メキシコ最大の麻薬カルテルの首領を殺害したシェインバウム政権にとって、むしろこれからが麻薬対策の正念場となる、と論じている。要旨は次の通り。
「エル・メンチョ」として知られるネメシオ・オセゲラは、海外にまでその触手を伸ばす巨大な麻薬組織ハリスコ新世代カルテル(CJNG)の首領として、ラテンアメリカで最も重要な指名手配犯であると言っても過言ではない。彼はフェンタニルを米国に密輸し数千人の中毒者の死に関与し、そして、彼の仲間たちは数え切れないほどのメキシコ人を殺害した。従って、2月22日の激しい銃撃戦の末、政府軍が彼を殺害したことはメキシコが組織犯罪との戦いにおいて大きな成功だと主張するのは当然である。
そして、この作戦は、米国の強い圧力を受けたシェインバウム大統領が、前任者のロペス・オブラドールの麻薬カルテルに対する悲惨な宥和政策を葬り去ったことを、これまでで最も明確に証明するものだ。
オセゲラの排除は、メキシコと米国の共同作戦であり、米中央情報局(CIA)の諜報活動は、この麻薬王の居場所を特定する上で決定的な役割を果たしたとみられ、メキシコの特殊部隊が彼の潜伏する山小屋に突入した。
今回の作戦はまた、メキシコの精鋭部隊が情報共有に基づいて効果的に行動できることを示したもので、カルテル対策にはメキシコ国内に米軍部隊の投入が必要だと主張するトランプ政権の主張を覆すものだ。
メキシコは、殺人的な犯罪組織の拡大をあまりにも長い間容認してきた。組織の一部は分裂し、国中に暴力を広げた。
ロペス・オブラドールがカルテルに「銃弾よりも抱擁」を唱えた6年間、20万人以上の殺人事件が発生した。シェインバウムが麻薬王を正面から攻撃する姿勢に転向したことは、遅きに失したとはいえ、歓迎すべきことだ。選挙運動中、彼女は麻薬戦争に反対していたが、ワシントンからの強い圧力によって考えが変わったようだ。
とはいえ、シェインバウムは、メキシコの政治家と組織犯罪の共謀関係への対処という重要な問題(これは政党をまたぐ長年の課題だが)において、前任者と依然として決別していない。
