定年バックパッカー海外放浪記

2017年3月12日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年生まれの62歳。横浜生まれ、神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

2016.4.6.~5.21 45日間 総費用47万円〈航空券含む〉

退職オジサン二人組の『何でも見てやろう』アメリカ編

韓国系米国人ジェーンとオヘア空港で

 4月6日 韓国仁川空港発のアシアナ航空機は現地時間夜7時半にシカゴのオヘア空港に着陸。ルート66走破の挑戦が始まると思うと若干テンションがあがる。

 2015年夏のサンチアゴ巡礼で出会った“名古屋の鉄人ことNさん”(サンチアゴ巡礼心の旅 第17回ご参照)の企画に相乗りしての二人旅だ。レンタカーを借りてシカゴ~ロサンゼルスを結ぶルート66旧道(Histric Route66)を中心に面白そうなところを自由自在に寄り道して存分にアメリカを『何でも見てやろう』という趣旨の旅である。

42日間3200ドル(保険料込み)で借りたフォードFOCUS

 アメリカについては情報が溢れており誰でもそれなりの米国像なり米国観を持っているのではないか。私も2年間のニューヨーク駐在や出張をつうじて多少はアメリカ体験があるが実際には一部の都市しか知らなかった。そんなことからNさんがルート66走破を計画していると聞いた時にすぐさま相乗りを申し出たのである。

やっぱりアメリカは世界の中心だ

 飛行機から降りるとNさんが3人の東洋系女子と一緒に待っていた。Nさんはニコニコしながらそのなかの一人を私に紹介した。ロングヘアーで眼鏡が似合うすらりとした美女である。長時間のフライトで弛緩していたテンションが急上昇。

 韓国系米国人でジェーンと名乗った。機内でNさんの隣席であったという。窓側の二列シートであったのでNさんは十数時間美女とご同伴していたことになる。私のお隣は仏頂面の韓国オジサンであった。同じ航空運賃を払っても雲泥の差である。人生はかくも不公平に満ち溢れている。

シカゴのミシガン湖近くのルート66起点の道標でニンマリするNさん

 ジェーンは米国生まれで高校まで米国で教育を受けて韓国の大学に進学。どうも名門延世大学らしい。現在24歳、大学院で国際政治を専攻している。最初ハングルで会話していたが、すぐに彼女の日本語がかなりのレベルであることが分かった。

 専門的な問題になり英語に切り替えると彼女がすごい才女であることが判明。三人の韓国女子はシカゴで明後日から開催される国際政治学学会に参加する予定だ。ジェーンは研究成果を学会で発表するのでフライト中もパソコンで英文のプレゼン資料の見直し作業をしていたのだ。飛行機を降りてから荷物受取場までの短時間の歩きながらの会話で残念ながら深い内容まで聞けなかったが途上国開発における国際金融のパラダイム・シフトのようなテーマらしい。

 中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)が途上国開発支援のあり方を変えてゆくのか。過去60年以上米国経済の絶対的優位を背景に世界銀行、国際通貨基金が途上国開発支援の枠組みを決めてきたが、AIIBの登場によりどのように変化してゆくのかというテーマのようであった。そのため東京を三回訪問してアジア開発銀行について財務省当局者と意見交換し、金融専門家や開発経済の専門家とも学術交流したという。

 シカゴはイリノイ州の中心都市であるが、『世界の自動車産業の都』と称えられた、お隣デトロイト市は財政破綻し、シカゴ市も急速な財政悪化が懸念されている。しかし他方でシカゴ大学は依然として経済学の中心であり、こうして国際政治学会も開催され世界中の優秀な研究者が集う。ソフトパワーが健在なアメリカは今も厳然として世界の中心なのだろう。

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