前向きに読み解く経済の裏側

2017年3月13日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。主に調査関連部署に勤務した後、2005年に銀行を退行して久留米大学へ。著書に『増補改訂 よくわかる日本経済入門』(朝日新書)、『老後破産しないためのお金の教科書』(東洋経済新報社)、『世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書』(宝島社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)など多数。

 日本政府は巨額の借金を抱えています。普通の企業ならば、とっくに破産しているはずなのに、なぜ政府は破産しないのでしょうか? それは、国債を買う人が大勢いるからです。どれほど赤字でも、赤字分の借金ができている間は、債務者は破産しません。

 問題は、政府が破産すると懸念する人が多いのに、どうして人々が喜んで国債を買っているのか、ということです。もしかして、「政府はいつかは破産するだろうが、明日までは大丈夫だろうから、今日買って明日売ろう」というバブルなのでしょうか?

(iStock)
 

日銀が買うので、国債暴落の心配は当面無用

 筆者は、財政は破綻しないと信じていますが、「いつかは政府が破産する」と考えている人は大勢います。そうした人々も、よろこんで日本国債に投資しています。

 長期国債は、政府が破産するという噂だけで国債相場が暴落する可能性がありますので、現金などよりも危険なはずです。そんな危険なものを、なぜ持っているのでしょうか? これについては、最近まで「バブルとしか言いようがない」と考えていました。

 ちなみに、バブルという言葉は、株や土地や国債などの値段が暴騰した後に暴落する、というイメージですが、暴騰しなくても、暴落する可能性が高いものを皆が競って買っているのであれば、バブルと呼んで良いでしょう。一例としては、「田舎の貸し家は、将来的に空き家になって無価値になる可能性が高いので、これが大量に建設されているのはバブルだ」といった呼び方です。

 しかし、日銀が「長期金利ゼロを目標とする」と宣言してから考えを変えました。人々が政府の破産を予想して長期国債を売却すると、長期国債の利回りが上がります。そうなれば、日銀が長期金利をゼロに戻すために長期国債を大量に買うでしょう。投資家としては、その時に保有国債を日銀に売れば、損失は生じないので、安心なのです。

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