チャイナ・ウォッチャーの視点

2010年9月9日

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有本 香 (ありもと・かおり)

ジャーナリスト

企画会社経営。東京外国語大学卒業後、雑誌編集長を経て独立。近年とくに中国の民族問題の取材に注力している。『中国はチベットからパンダを盗んだ』(講談社)『なぜ、中国は「毒食」を作り続けるのか』(祥伝社)の他、近著に『中国の「日本買収」計画』(WAC BUNKO)がある。

 これはつまり、日中の「国民感情」なるものが、自然発生的な「感情」ではなく、濃厚に政治的な匂いをまとうネタだということを表している。

中国が進める「心理戦」に巻き込まれるな

 日本が、中華人民共和国との間で国交を樹立してから30余年、中国側が一貫して進めてきたことは、日本の国民感情に働きかける「心理戦」である。あるときは強硬に、あるときは融和的に働きかけて、日本国民を心理的に抱き込んでいく戦術だ。

 「日中は一衣帯水」というスローガンも、「中国なしには日本経済は成り立たない」という論調も、あるいは「中国の脅威にどう対処するか」という話題も含め、すべては、日本国民に対して仕掛けられた心理戦だということを、私たちはまず認識すべきであろう。

 そして、中国側が主導する心理戦に、そうとは知らずに「動員」され、率先して協働することとなっている日本側の人々が多いことをも認識すべきである。

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◆本連載について
めまぐるしい変貌を遂げる中国。日々さまざまなニュースが飛び込んできますが、そのニュースをどう捉え、どう見ておくべきかを、新進気鋭のジャーナリスト や研究者がリアルタイムで提示します。政治・経済・軍事・社会問題・文化などあらゆる視点から、リレー形式で展開する中国時評です。
◆執筆者
富坂聰氏、石平氏、有本香氏(以上3名はジャーナリスト)
城山英巳氏(時事通信社外信部記者)、平野聡氏(東京大学准教授)
◆更新 : 毎週水曜

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