前向きに読み解く経済の裏側

2018年4月11日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。主に調査関連部署に勤務した後、2005年に銀行を退行して久留米大学へ。著書に『増補改訂 よくわかる日本経済入門』(朝日新書)、『老後破産しないためのお金の教科書』(東洋経済新報社)、『世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書』(宝島社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)など多数。

 河野外務大臣のツイッターでの呟きが話題になっています。「やらねばならないことが山のようにあるのに、外交防衛の集中審議だから、9時から5時まで答弁が無くとも委員会に座ってろって(中略)腕組んで目を瞑る暇に仕事させてほしい!」というもので、呟き自体は大臣御自身が削除なさったようですが、問題の所在は理解できますね。詳しくはhttps://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_0329.htmlをご参照下さい。

国会議事堂に皆が集まるのは月に1度で十分

(mizoula/iStock)

 国会審議が重要であることは、間違いありません。筆者はそのことを否定するつもりは毛頭ありません。しかし、同じ成果を上げるために、少ないコストで済む方法があるのならば、そちらの選択肢も検討すべきだと思います。

 「国会審議は、皆が一堂に集まって行うもの」という固定観念を一度取り払ってみましょう。国会がインターネット上に議場を作り、各議員がそれぞれの議員事務所にいて、インターネットで議論に参加するのです。そうすれば、各議員は地元で支持者と意見交換しながら議事に参加する事ができるかもしれませんし、外務大臣が出張先から質問に回答することもできるでしょう。

 さらに言えば、緊急を要する場合を除き、即答を求める必要さえもありません。国会が作成した掲示板に、議員が質問を書き込み(あるいは質問の動画をアップし)、「1週間以内に御回答をお願いしたい」と記せばよいのです。それを議長が見て「外務大臣、答えて下さい」「外務省北米局長、答えて下さい」といった割り当てをすればよいのです。

 大臣は、「答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない」と憲法にありますから、「出席」の定義をする必要はあるでしょうが、いずれにしても「他の大臣だけが質問されていて、自分は答弁または説明を求められていない時」には出席しなくてもよいでしょう。

 官僚が答弁書を書いて大臣が棒読みするだけならば、官僚が掲示板に書き込めばよいのです。大臣が肉声で答えなければならないような場合のみ、大臣が動画を掲示板にアップすればよいのです。政府は、働き方改革を叫んでいますが、最初に行うべきは大臣の働き方改革です!

 まあ、せっかく国会議員になったのですから、集まって議論をすることがあってもよいでしょう。そうでないと、ヤジを飛ばす機会がなくて欲求不満が溜まる議員先生もおられるでしょうから。というのは冗談としても、証人喚問などは臨場感が大切ですし、そうでなくとも月に一度くらいは臨場感のある議論を展開するのも悪くないと思います。せっかく立派な議事堂があるのですから(笑)。

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