BBC News

2018年6月26日

»著者プロフィール

英下院は25日、ロンドン・ヒースロー空港に第3の滑走路を建設する計画を、415対119の賛成多数で承認した。この計画は、環境汚染などの観点から議論の的となっている。

英産業連盟(CBI)は「英国の世界貿易関係の新時代の幕を開ける、本当に歴史的な決定」だとしてこの結果を歓迎した。

一方、環境保護団体グリーンピースは、ロンドンの各行政区とサディク・カーン・ロンドン市長が結成した超党派グループに参加し、この計画について法廷で争う用意があると述べている。

また、環境保護団体フレンズ・オブ・ジ・アースも声明で、「気候を破壊するこの新滑走路を支持した議員たちは、歴史に厳しく断罪されるだろう」と批判した。

「気候危機は世界で最も弱い立場の人たちをすでに直撃し、加速している。証拠の裏づけも圧倒的だ。ヒースロー空港の拡張は、苦しみを悪化させるだけだ」

与党・保守党は政府計画を支持するよう、党議拘束をかけたが、8人が造反した。党内で反対派だったボリス・ジョンソン外相はアフガニスタンを訪問中で、投票には参加しなかった。

一方、野党・労働党は計画に反対の立場を取っていたが、議員の投票は自由委任にした。スコットランド国民党(SNP)は棄権した。

<おすすめ記事>

投票前には、環境活動家12人が議員が投票に向けた準備を進めているすぐ側の中央ロビーで「寝転び」抗議を行った。

「期間限定の」滑走路建設反対キャンペーンをしているこの活動家らは歌いながら寝転んで抗議を行った。その後、ロビーは警察によって閉鎖された。

英政府は、新滑走路建設が納税者の負担にはならないと主張している。さらに、10万人規模の雇用を創出し、国内便の確保によって英国全土が恩恵を受けると、意義を強調している。

また閣僚たちも、計画は環境保護施策を内包したものになるとしている。たとえば、夜間飛行など議論となっている問題に関する約束が破られた場合、ヒースロー空港や停留している旅客機に罰金を科すことができる。

今回の投票では、保守党から8人の造反者が出た。先にこの問題をめぐって国際貿易相を辞任したグレッグ・ハンズ議員や、ジャスティーン・グリーニング議員、テリーザ・ビリヤーズ議員など元閣僚が含まれる。

一方、労働党では計画支持に回った議員が119人で、反対が96人。ジェレミー・コービン党首は計画に反対していた。

投票前の議論は4時間に及んだ。クリス・グレイリング運輸相はまず、ヒースロー空港は「満杯」で、新滑走路は「ブレグジット後にグローバル国家として進む将来へのはっきりした道のり」を確保するのに必要だと話した。

これに対し労働党のジョン・マクドネル影の財務相は熱弁を振るい、一企業の利益を最大化するために1000年以上続いてきた農村が「地球上から消えてしまう」と警告した。

「議会は、この決定には人々の犠牲が伴うことを認め、この絶対に離陸しないプログラムに投票し、私のコミュニティーを再び悩ませ、破壊する前にじっくり考えるべきだ」

また、この計画をめぐって内閣から離脱した保守党のハンズ議員(チェルシー・アンド・フラム地区選出)が造反を呼びかけると、野党議員は「ボリス(・ジョンソン外相)はどこだ?」と叫んだ。

ハンズ議員は空気汚染や夜間飛行に対する懸念を挙げた一方、「自分自身の発言と選挙公約に反していないかについての議論」だと話した。

ジョンソン外相はアフガニスタンへ出発する前、ハンズ議員のように空港拡張に反対して内閣を離脱しても、「まったく何の効果もない」と発言していた。

(英語記事 MPs back Heathrow airport expansion

提供元:https://www.bbc.com/japanese/44610375

関連記事

新着記事

»もっと見る