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2018年8月23日

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サウジアラビアは23日、かねて予定している国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)が取りやめられたとの報道を否定した。

ロイター通信は同日、金融機関の顧問団がサウジアラムコ株式の5%を売り出す計画を放棄したと報じていた。

同国のハリド・アル・ファリフ・エネルギー相は、実現すれば過去最大規模の取引となる予定のIPOを、政府は断行すると述べた。

「政府は、条件が整ったと判断した際にサウジアラムコのIPOを行えるよう取り組みを続ける」

ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は2016年初め、経済改革の一環としてサウジアラムコのIPOを提唱。同社に西側諸国のような規制と監視を取り入れるとともに、増資によって同国の膨大な財政赤字を縮小する目的だった。

ムハンマド皇太子は当時、サウジアラムコの企業価値はおよそ2兆ドル(約221兆円)に上ると話していた。同社株はサウジアラビアのリヤド取引所のほか、国外の主要な金融センターにある取引所のひとつにも上場する予定だった。

報道の内容は?

ロイター通信は、4人の有力な業界情報筋の話として、サウジアラムコの上場計画が取りやめになったと伝えた。

ある情報筋は「IPOの中止はしばらく前に決定されたが、誰も発表できないため、まずは延期が、その後に中止が発表される」と語ったという。

ロイター通信はさらに、2つの情報筋の話として、上場に向けて動いていた金融機関のアドバイザーらが、地場石油化学大手、サウジ基礎産業公社(SABIC)のへの「戦略的な出資」案に今は注力していると報じた。

サウジアラムコの上場取りやめのうわさは2017年末にも一度持ち上がっており、代わりに世界最大規模の政府系ファンドや機関投資家への私募の可能性が示唆されていた。

世界最大の石油・ガス会社

サウジアラムコは世界最大の石油・ガス会社で、米フォーブス誌によると1日当たり10億ドルを売り上げていると推計される。世界最大級の油田の運営に加え、製油や化学品製造にも携わっている。

こうした高い企業価値を踏まえ、ロンドンや香港、ニューヨークの各取引所は新規株式公開(IPO)を勝ち取るために激しい競争を続けてきた。

ドナルド・トランプ米大統領は昨年、「もしサウジアラビアがアラムコのIPOをニューヨーク取引所でやってくれたらとても嬉しい。米国にとって重要だ!」とツイートしていた。

英国では、金融監督機構(FCA)がサウジアラムコの招致に向けて上場を簡易化し、英国経営者協会(IoD)や下院議員らから批判を浴びた。

これまでに、国外での上場先は決定されていない。

一方、サウジ王室の一部からは、米国の対テロ法で米国民がサウジアラビアを起訴することが認められているため、ニューヨークでの上場はリスクを伴うのとの懸念が持ち上がっていた。

(英語記事 Saudi denies calling off Aramco float

提供元:https://www.bbc.com/japanese/45279676

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