世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年9月27日

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 9月11日より17日までロシアは、軍事演習、「ヴォストーク(東方)―2018」を実施した。この「ヴォストーク」軍事演習は、4年に1度実施されるものだが、今回の演習規模はこれまでで最大のものとなった。兵員30万人、航空機 1000機、軍艦80隻が参加した。更に今年は、中国とモンゴルが初参加した。中国はこの演習に、3200人の兵員、900台の戦車・装甲車を参加させた。 

(CNuisin/hofred/iStock)

 プーチン大統領は、9月13日、中露両国の国防大臣とともに東シベリアで行われた合同軍事演習を視察した。前日の9月12日には、中露国防相会談が行われ、両者は定期的に合同軍事演習を実施することで合意した。

 今回の中露合同軍事演習に関しては、演習が開始される前の9月6日付で、英国のエコノミスト誌が、西側諸国はこの中露両国の結託を憂慮すべきであるという趣旨の論説を掲載している。それは、その通りであろう。 

 これについて、中露関係は相互に不信感があり、その結託はさほど心配しなくてもよいとか、ロシアは衰退しているから心配ないなどの議論がある。もちろん、中露間に伝統的な不信感があることは否定しない。が、プーチンはロシアは中国のジュニア・パートナーとなっても、中露関係の緊密化を図るほうが、欧米との関係を考えれば得策であると考えている。中国もそれにほぼ応じている。 

 この中露両国の結託に対してどう対処すべきかについても、このエコノミスト誌の意見は参考になる。 中露をお互いに離反・対立させようとして画策するのではなく、自由民主主義諸国、西側同盟をしっかりとさせるべきであるということである。まさにそうだろう。中国とロシアとの間に亀裂をもたらそうというような努力は労多くして、効果はなかなか出ない。自分たちができること、西側の結束強化を図ることなどが、やるべきことであろう。トランプの同盟軽視の是正を求める方が重要である。 もちろん、中国とロシアの間に亀裂が生じたときには、それを深め利用するのは適切であり、中露関係の動向の分析は怠るべきではない。

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