BBC News

2019年3月21日

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イタリア北部ミラノ近郊で20日、51人の生徒を乗せたバスが運転手によってハイジャックされ、火をつけられる事件があった。

生徒の一部は拘束されていたが、警察が後方の窓を割って救助し、重傷者は出なかった。この事件で14人が煙を吸って負傷した。

犯人はイタリアの市民権を持つセネガル出身の47歳の男で、逮捕されている。犯人は「誰も助からない」と言っていたとみられている。

警察は、犯人の名前をウッセイノウ・シと公表している。

一方、ミラノのフランチェスコ・グレコ検事正は、「奇跡だ。多くの犠牲者が出るかもしれなかった」と話したという。

バスに同乗していた教師によると、犯人はイタリアの移民政策や、アフリカなどから欧州を目指す移民が地中海で亡くなる事態に怒っていたという、

警察のマルコ・パルミエリ報道官は、「犯人は『海での死を止めろ、でないとたくさんの人を殺す』と叫んでいた」と説明した。

検察によると、犯人は誘拐と大量殺人未遂、火事、逮捕時の抵抗などの容疑で訴追される。グレコ検事は、テロ容疑での訴追も視野に入れていると話した。

ミラノ検察庁テロ対策部のアルベルト・ノビリ部長は、犯人は傷害や飲酒運転で有罪判決を受けた過去があり、警察は以前から犯人を認識していたと述べた。

事件のあらまし

2クラスの10代の生徒と成人の監督者数人が乗ったバスは、ヴァイラティ・ディ・クレマの学校から体育館に向かっていた。しかし運転手が突然、行き先を変え、ミラノのリナテ空港の方へ向かい出したという。

犯人がナイフで生徒たちを脅し始めた際に、1人の少年が両親に電話をかけ、この両親が警察に通報した。

駆けつけた警官たちがバスを止めようとし、バスは警察車両にぶつかりながら速度を緩めた。

バスが停まると、犯人はバスから飛び降り、あらかじめガソリンを撒いていたバスに火をつけた。警察は後方の窓を割って、バスが炎に包まれる前に乗客を救出した。

グレコ検事は、「(生徒たちが)生き延びられたのは奇跡だ。憲兵隊のおかげだ」と話した。

AFP通信によると、イタリア内務省は犯人のイタリア市民権をはく奪できるか検討しているという。

昨年9月に施行された法令により、イタリアでは深刻な犯罪を犯した移民を送還したり、市民権をはく奪することが簡単にできるようになった。

厳しい移民政策

昨年6月に政権を獲得して以来、極右の「同盟」とポピュリスト政党「五つ星運動」は厳しい反移民政策を敷いている。

欧州を目指して地中海を渡る移民の玄関口となっているイタリアは、移民の乗ったボートを寄港させないようにしている。

19日には、リビア沖でゴムボートに乗っていた50人が慈善団体の船に救助され、イタリア最南端のランペドゥーサ島に下ろされた。イタリア当局はこの船の拿捕(だほ)を命じ、秘密裏に移民を助けた疑いで捜査に着手した。

ミラノでは3月初め、反人種差別を訴えて約20万人がデモ行進した。

(英語記事 Driver hijacks school bus full of children

提供元:https://www.bbc.com/japanese/47648956

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