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2019年5月20日

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イランの核合意をめぐりアメリカとの対立が悪化するなか、ドナルド・トランプ米大統領は19日、もしアメリカと戦争になれば「イランは正式に終わりだ」とツイートした。

「もしイランが戦いたいなら、それでイランは正式に終わりだ。二度と合衆国を脅すな!」とトランプ氏はツイッターで書いた。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1130207891049332737

米政府は今月上旬から、湾岸地域の空母打撃群に戦略爆撃機や強襲揚陸艦などを追加し、一帯の兵力を増強している。

その一方で、イランとアメリカの両政府関係者は緊張緩和を期待する発言を繰り返していただけに、トランプ氏の最新ツイートはいきなり姿勢を転換した印象を与えている。

トランプ氏は16日に記者団に、イラン相手に戦争するつもりかと質問され、「そうならないことを願う」と答えていた。また側近には、イランへの圧力が武力紛争につながらないようにしたいと伝えていた。

イラン政府も衝突回避を期待する姿勢を示し、18日にはモハンマド・ジャヴァド・ザリフ外相が国営イラン通信に対して、「戦争は起きない。我々は戦争を望んでいないし、この地域でイランに立ち向かえるなどと妄想する者は誰1人としていないからだ」とコメントしていた。

緊張の背景は

今回の関係悪化は、イランが2015年に締結した核合意について履行の一部を停止したと8日に表明し、原子炉や核兵器に使われる高濃縮ウランの国内生産を再開する方針を示したことが発端となっている。アメリカが1年前に核合意から離脱したことへの対抗措置とみられる。

これに対し、ドナルド・トランプ米大統領は同日、イランとの鉄鋼の取引も経済制裁の対象とする大統領令に署名した。

イラン政府はすでに、湾岸洋上の艦船にミサイルを配備しているとされる。サウジアラビアの石油タンカー4隻が12日にアラブ首長国連邦(UAE)沖で攻撃された事件について、米当局はイランによるものだと考えている。イランは関与を否定している。

米政府は湾岸地域に空母エイブラハム・リンカーンを派遣し、兵士12万人の中東増派を検討しているとされる。

国務省は15日、イランの隣国イラクに駐在する大使館と領事館の職員のうち、「緊急性の低い」業務の担当者の国外退避を指示した。

米軍は、イランが支援する勢力について新たに情報を得たとして中東地域の脅威レベルを上げた。これについて、米軍主導でシリアとイラクで「イスラム国」(IS)と戦う連合軍の副司令官、クリス・ギカ英軍少将は「脅威の拡大はない」と、異なる見解を示していた。

オランダ軍とドイツ軍は、イラクにおける軍事訓練活動を一時中断したという。

米大使館近くにロケット弾

イラク軍は19日、首都バグダッドで官公庁や外国公館などが集まる重警備地区のグリーンゾーンに、ロケット弾が撃ち込まれ、米大使館に近い建物に直撃したと発表した。建物に入居者はなく、犠牲者もいなかったという。何者による犯行か分かっていない。

これとは別に、サウジアラビア政府は17日、イエメンの反政府武装組織フーシ派がイラン政府の命令によりガス・パイプラインをドローン(小型無人機)で攻撃したと非難。サウジアラビアの政府系新聞は、アメリカにイラン攻撃を呼びかけた。

イラン政府は、いずれの事案についても関与を否定している。

(英語記事 US president says war would be 'end' of Iran as tensions rise

提供元:https://www.bbc.com/japanese/48331539

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